救急出動件数2年連続減少
update 2008/2/15 09:26
函館市内で2007年に救急車が出動した件数は1万3323件で、一昨年に続き前年を下回ったことが、函館市消防本部のまとめで分かった。市内の救急車の要請は05年まで増加の一途をたどっていたが、2年連続の減少は1964年の救急隊発足以降初めて。同本部救急課は人口減少の影響などが要因と分析している。また、搬送者のうち入院を必要としない軽症患者が約6割に上っていることも分かった。(森健太郎)
救急搬送した人数は前年比163人減の1万2542人で、65歳以上の高齢者は6563人と全体の半数以上を占めた。内訳は新生児(生後1カ月未満)が35人、乳幼児(生後1カ月以上―7歳未満)が485人、少年(7歳以上―18歳未満)が404人、成人(18歳以上―65歳未満)が5055人など。1日平均出動は36・5件で、市民23人に1人が救急車を利用した計算になる。
一方、函館市の人口は昨年末現在、前年同期比3339人減の29万140人で、減少傾向が顕著になっており、同課はこうした人口減が出動件数の減少にも少なからず影響しているとみている。「ただ、人口の減少割合に比べ出動件数は減っていない」との側面もあり、現に搬送した新生児は前年比9人増、乳幼児については同43人増と、軒並み増えている。
搬送理由は「急病」が8656件で最も多く、全体の約65%を占めた。ただ、重症患者は全体の1割に満たず、軽症患者が前年比243人増の4806人を数えた。同課では「重篤の患者は一分一秒の遅れが致命的な結果を招くこともある」とし、救急車の適正利用を呼び掛けている。
同本部は昨年4月、現場に最も近い救急車を衛星利用測位システム(GPS)で把握できる「消防緊急情報システム」を導入。これに伴い、通報から救急車が現場に到着するまでの平均時間も、前年より36秒短い5分18秒となった。同課によると、救急車の出動件数は99年に1万件の大台を突破後、高齢化に伴い右肩上がりに増加。05年には10年前の約1・6倍に上る過去最高の1万3494件を記録していた。
提供 - 函館新聞社
ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。