宮本邸、大真協会支部が受賞…歴風文化賞・保存建築物
update 2008/2/13 12:59
函館の歴史的風土を守る会(歴風会、落合治彦会長)はこのほど、2007年度の「歴風文化賞」を発表した。本年度は「保存建築物」に函館市本町の宮本寿一邸など2件のほか、同市内の建築物の計4件、同市松影町などを通る通称「桜が丘通り」(市道柏木16号、同人見9号)の1風景が受賞した。表彰式は22日午後6時半から同市末広町の五島軒本店で開かれる。
同賞は1983年度から始まり、本年度で25回目。建造物の貴重性、持ち主の保存に対する努力をたたえ、郷土文化に寄与し、後世に引き継ぐ風景を残そうと、毎年、函館や近郊を対象に表彰している。本年度は昨年11月から審査が始まり、同会の約15人が審議して決めた。
宮本邸は商業施設が多い本町地区にあり、昭和初期以前に建築された木造2階建て専用住宅。玄関右側の2階部分には上下式の窓など洋風要素がある一方、1階部分は出窓など和風の要素もあり、和洋折衷の姿がほぼ創建時の姿で保存されている。
「保存建築物」には大真協会函館支部(杉並町)も選ばれた。昭和初期以前に木造平屋建て専用住宅として建てられ、外壁や屋根の飾りなど細部に気を配った外観で、室内の欄干、建具、蔵なども創建当時のままの美しさが残る。宮本邸とともに、市東部地区における昭和初期以前の郊外住宅の歴史を知る上で貴重な建築物として選ばれた。
「再生保存建築物」には沼崎弥太郎邸(松陰町)が選出された。1934年に木造2階建て専用住宅として建築され、2006年に創建当時の姿が再建された。正面は創建時の意匠とほぼ同じで、室内は建具、床の間などが創建時のままの姿で保存されている。
「特別賞」には割烹旅館若松(湯川町)が選ばれた。昭和初期以前に木造2階建ての旅館として建築され、入母屋(いりもや)瓦ぶきの重厚な玄関など、創建時の姿が忠実に伝えられており、昭和前期の温泉宿の雰囲気を上品に醸し出している。
「原風景」の通称「桜が丘通り」は、市電柏木町電停近くの電車通りから南に延びており、昭和初期に地域住民がサクラ(ソメイヨシノ)を植え、春には市民に憩いを与える桜並木となる。
提供 - 函館新聞社
ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。