市中央卸売市場を地方卸売市場に転換方針

update 2008/2/6 14:05

 函館市は5日の市議会経済建設常任委員会(小山直子委員長)の委員協議会で、取扱数量の減少が続いている市中央卸売市場(西桔梗町589)を「地方卸売市場」に転換する方針を明らかにした。地方市場は国からの規制が少なく流通の自由度が増し、併せて市場運営コストを削減することで、市場関係者の経営基盤が強化できる。市は2008年度中に国などへの手続きを終え、09年度から移行したい考えだ。

 中央市場は、国の認可を受けた地方自治体だけが設置できるが、地方市場は自治体のほか、協同組合や民間事業者なども都道府県知事の許可を受けて開設ができる。地方市場は卸売市場法の規制が少なく、業者や開設者の事務負担軽減、市場外での卸売販売が可能などのメリットがある。

 市中央市場は1975年に開設。ピーク時には取扱量が約12万3000トン(87年度)、取扱金額は約215億円(93年度)あったが、供給圏人口の減少や大手量販店進出による市場外流通の拡大などの影響で、市場規模が年々縮小し、本年度は取扱量が約6万1500トン、金額が約136億円と見込まれている。

 農林水産省は04年に第8次卸売市場基本方針の中で、再編基準4項目を定め、そのうち3項目に該当する中央市場は地方市場へ転換するよう促した。ただ、釧路市中央市場では再編基準の該当は花き部だけだったが、06年4月に市場全体を地方市場としている。

 函館の場合、基準項目のうち該当するのは「取扱数量3年連続の減少、青果物の減少率9・9%以上」の1項目だが、今後も需要の増大や大幅な集荷力向上が見込めないことから、地方市場化の検討を開始。昨年9月には、卸売業者や仲卸業者組合など9団体でつくる「市場のあり方検討委員会」を設置し、販路拡大や特色ある市場づくり、システムの効率化を含めて市場再編策を議論している。

 この日、上戸慶一農林水産部長は「地方市場は、国の関与や開設区域内での市場外販売など規制が少なく、業者によるさまざまな商取引が可能となる」と説明。同時に、指定管理者制度の導入や、企業会計から特別会計への移行で市場運営費を圧縮して得た財源を市場使用料に充て、業者負担を軽減する考えを示した。

 今後の議会や検討委員会での意見を踏まえ、新体制の方向性を検討し、市は08年度中にも農水省や道への転換許可申請などの手続きを行う方針。

提供 - 函館新聞社



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