混迷深める支庁再編 4市町、徹底抗戦アピール
update 2008/2/5 10:33
【札幌】江差町をはじめ、支庁再編に反対する日高管内浦河町、根室市、留萌市の各市町は4日、道議会道州制・地方分権改革等推進調査特別委員会の集中審議に、予定を上回る100人規模の議員団や住民代表を派遣し、再編案の白紙撤回と支庁存続を求めて徹底抗戦の姿勢をアピールした。江差町からは濱谷一治町長と12人の町議全員、支庁存続を求める住民組織の辻正勝会長が傍聴席に陣取り、審議の様子を見守った。
濱谷町長らは同日午前、道の佐藤俊夫企画振興部長、道議会の正副議長や与野党会派を訪ねて、支庁存続を求める意見書を提出した。
審議終了後に道庁内で開かれた記者会見で、江差町の打越東亜夫町議会議長は「道側の発言は理解に苦しむ。弱者に痛みを押し付ける改革は許せない」と強調。根室市の嶋津隆之市議会議長も「道の考えばかりが先行して住民に大きな不安を与えている」とした。留萌市の道重之市議会副議長は「支庁廃止の痛みを一部の地域に押し付けず、全道民で分かち合う方法を考えるべき。100年に1度の改革だからこそ禍根を残すべきでない」と訴えた。
浦河町の上田正則日高建設協会長は「行政効率だけを追求した支庁再編には断固反対。格差是正や道民の安全、安心を考える姿勢が抜け落ちている」と批判した。4市町は今後、道が支庁再編の関連条例案の提案を目指す今月末の第1回定例道議会に向けた統一行動を検討。道や道議会に対して、再編案の白紙撤回を迫っていく方針。
道政与党会派の自民党・道民会議は、支庁再編の条例提案への賛否が分かれており、第1回定例会での対応は未定。民主党・道民連合など野党会派も反対姿勢を強めており、4日の集中審議でも与野党の委員全員が再編案に反対の意向を示した。議会側のハードルが高まる中、ある道幹部は「6月の第2回定例会に先送りすれば、7月のサミット終了後に予想される衆院選に向けて選挙態勢に入る自民党が態度を硬化することが確実。提案のタイミングは今定例会しかない」とみる。
ただ、徹底抗戦の構えを強める地域と道側の溝は広がるばかりで、「軟着陸を模索する環境にもない」(道幹部)との指摘もあり、混迷の度合いは深まるばかりだ。
提供 - 函館新聞社
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