「限界集落」渡島に30…函館「6」八雲「12」

update 2008/1/16 11:49

 65歳以上の高齢者が地区住民の半数を超える「限界集落(高齢化率50%以上)」が、渡島管内の集落636のうち30に上ることが、函館新聞社の調べで分かった。八雲町は12、函館市は6を数え、中には過疎・高齢化のため伝統行事が消滅したり、田畑が荒廃するなどの影響が出ている地区もある。全国では「集落消滅」などの危機感から、38都道府県146自治体が協議会を設立するなど、集落の再生を目指す動きも活発化している。(新目七恵)

 限界集落数は、自治体の住民基本台帳や人口、世帯、年齢別統計表などをもとに集計した。国交省では、集落を「一定の土地に数戸以上の社会的まとまりが形成された住民生活の基本的な地域単位や市町村行政の行政区の基本単位」と定義している。今回は国の集計方法と同様、函館市の場合は「町」、松前町の場合は「地区」など自治体ごとの各集計の区別に沿ってまとめた。

 結果は、2市6町で限界集落があり、最も多かった八雲町では行政区162のうち12が該当した。函館市6、北斗市4と続き、福島町は3、長万部町は2だった。また、限界集落に近い「高齢化率45%以上50%未満」の集落も管内に33あった。

 函館市紅葉町では住民12人中、65歳以上は6人と半数を占める。町会は隣町の亀尾町と合同で運営しており、同町に住む下田政雄さん(87)は「以前は地区の祭りがあったが、今は老人ばかりでやらなくなり、集まる機会もほとんどない」と話す。同町に商店はなく、空き家は数軒そのままになっていて、荒れた田畑もあるという。

 高齢化率53%、49%の千軒1、2の2地区を束ねる福島町の千軒町内会の三浦勇会長(71)は「2003年に小学校が閉校して以来、子供も減り、子供みこしもなくなった。除雪などは町内会の会員同士ボランティアで支え合っている」と話している。同町町民課福祉グループの石岡大志主査は「限界集落だけでなく高齢化した地区に対しては、冠婚葬祭の運営を町内会担当の職員が援助したり、町の福祉委員が高齢者宅を訪問するなどして複合的に対応している」と説明している。

提供 - 函館新聞社



前のページにもどる   ニュースをもっと読む



ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。

ページ先頭へ

e-HAKODATE .com
e-HAKODATEは、函館市道南の地域情報や函館地図、旅行観光情報、検索エンジンなど、函館道南のための地域ポータルサイトです