市埋文事業団がドイツ考古学研究所と学術提携

update 2008/1/13 17:28

 縄文遺跡群の集中する函館市南茅部地区で発掘調査を手掛けるNPO法人(特定非営利活動法人)函館市埋蔵文化財事業団(佐藤一夫理事長)が、ドイツ考古学研究所(本部・ベルリン)と学術提携することが決まった。15日に同研究所本部で協定を締結し、職員らの相互派遣や情報交換などを通じて、世界に縄文文化の情報を発信していく。

 日本の考古学を学ぶため、2005年に南茅部地区で発掘作業を体験したドイツ人女子留学生モニカ・クノフさんの報告を受け、関心を持った同研究所が同NPOに対し、06年12月に文書で学術交流を提案してきた。協定には人的交流のほか、文献や報告書の交換、シンポジウムの共催などが盛り込まれ、今夏には同研究所が大学生を派遣してくる計画もあるという。

 同研究所は1829年に設立された伝統ある研究機関で、国内外に支部を持ち世界各地の遺跡発掘に携わる。一方、道内初の国宝「中空土偶」が出土し、国指定史跡「大船遺跡」などがある南茅部地区、青森県の三内丸山遺跡など北海道・北東北にまたがる縄文遺跡群は世界遺産への登録を目指している。

 縄文文化の研究を目的とする同研究所と縄文文化の認知度を高めたい同NPOの認識が一致し、提携に至った。佐藤理事長は「世界遺産の登録に向け、ドイツをはじめ世界に縄文遺跡を紹介できるいい機会になる」と期待している。

 協定締結のため、13日から佐藤理事長と阿部千春理事がドイツ入りし、今後の具体的な事業計画を協議するほか、阿部理事が現地の考古学者らに南茅部の縄文遺跡を紹介する。

提供 - 函館新聞社



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