「育児支援事業」利用ゼロ…函館市 抜本見直しへ

update 2007/12/29 19:50

 函館市は本年度から子育て中の家庭にホームヘルパー(訪問介護員)を派遣する「育児支援事業」を行っているが、一切利用されていないことが28日までに分かった。子育ての不安や、ストレスを抱える親の支援を目的に取り組みを始めた事業だが、実際は支援が機能しておらず、抜本的な事業展開の見直しが求められる状況になっている。

 同事業は、育児や家事の負担を軽減することによって産後のうつ、育児ノイローゼ、児童虐待の防止を図るのが狙いで、特に周囲に相談する人や外部との接触が少ない育児中の親をターゲットにしている。

 国の交付金対象事業で、ヘルパーの委託料など約120万円を予算計上し、5月から取り組みを始めた。

 ただ、本人からの申請を受けて支援を行うのではなく、市側で支援の必要な人に事業を紹介、さらに本人の了解を得て実施する仕組みとしているため、事業が広く周知されていない。

 市立函館保健所で行っている相談業務や医療機関などの情報から、保健師が育児に悩む保護者にヘルパー派遣事業を紹介しているが、いずれも断わられている状況だ。市でヘルパー養成研修を行い、28人のヘルパーを確保したが、今のところ派遣は一度もない。

 事業を推進する子育て推進課は年明けにも市立同保健所と協議し、利用しやすいような仕組みづくりなど、新たな対応策を練る方針。利用につながらない要因について、同課は「他人を家に入れる抵抗感や、家庭の事情を知られる不安感もあるかもしれないが、基本的には市としての事業展開の問題点などを分析していきたい」としている。

提供 - 函館新聞社



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