水稲共済金8億5000万 加入農家の6割対象に…道南NOSAI

update 2007/12/28 11:19

 道南農業共済組合(道南NOSAI、北斗市東前)は27日、渡島・檜山管内の本年産の水稲の共済金支払い額が、過去10年間で2番目に多い約8億5000万円に上ったことを明らかにした。7月の低温などの影響で、道内で最も悪い作柄となったのが原因。共済加入農家1690戸のうち、共済金支払いの対象となった農家は約6割の974戸に上る。

 冷害や台風など農業災害の損害を補償する農業共済(国の補助金と農家の掛け金で運営)のうち、水稲などの農作物共済などの支払い額が確定した。共済金は農家から被害申告を受け、損害評価を経て被害の程度に応じて支払われる。

 道農政事務所(札幌)によると、道南の本年産の水稲の作況指数(平年作100)は、全道平均98に対し、渡島71、檜山68と「著しい不良」となった。この結果、共済額が膨らみ、特にせたな町や今金町など檜山北部の一部と、上ノ国町や福島町など檜山南部の一部で被害率(最大補償額に対する共済金の占める割合)が高かった。

 同農済によると、本年産の水稲の被害率は15・1%。大冷害で最悪の凶作となった1993年産は作況指数が渡島3、檜山2で、共済金支払い額は約90億円(被害率96%)、台風災害に見舞われた2003年産は作況指数が渡島44、檜山43で、支払い額は約26億円(同44%)だったが、本年産はこれらに次ぐ被害となった。

 一方、ジャガイモも干ばつ傾向で小玉が増加したり、7月後半の雨による象皮の発生などで作柄が悪く、115戸の農家に対する共済金は約1億3000万円に上った。被害率は10・8%で、過去10年の平均被害率4・7%の倍に跳ね上がった。また、9月の台風9号の影響などで、七飯町のリンゴ果樹農家16戸に対する共済金が約1000万円、園芸施設も被害を受け、11月末現在で延べ94戸に累計約3150万円が支払われている。

提供 - 函館新聞社



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