鳴海さんコンブでしめ飾り
update 2007/12/26 12:58
【福島】福島町日向460で鉄工所を経営する鳴海健児さん(68)は、特産の養殖真コンブで大きな宝船を仕立てたり、コンブとスルメを組み合わせた正月のしめ飾りを作り、近所の話題を集めている。鳴海さんは「年の瀬が迫る中で自然にアイデアが浮かんだ。自分の故郷の魅力を縁起物として表現したかった」と話している。
鳴海さんは仕事先で町内の阿部幸夫さん(66)ら地元漁師、水産加工場関係者らと接することがあり、コンブやスルメを譲り受ける機会も多かった。そうした中で、「地域の活性化のために、自分が持つ手の職で何かできれば」と考え、コンブを使ったものづくりに取り組んだ。ことし4月には町役場にコンブの宝船を届けた。宝船は道南の漁業の活性化のさきがけとなった「北前船」をモチーフに、コンブを器用に巻き付け大きな帆船を仕上げた。
その後も、知人の結婚式に祝船として贈るなどした。「届けたときに喜んでもらえることが何よりもうれしくて」と、七飯町の昆布館、函館新聞社にも各1隻ずつ寄贈している。函館新聞社に贈られた宝船は全長85センチ、高さ75センチ、幅25センチの大きさ。
さらに、独自のしめ飾りも考案。全5種類で、サイズは大きいもので縦75センチ×横35センチ。市販の飾りの紙部分を業者から購入し、コンブを折りたたみ、スルメを上にのせた。シンプルな仕上がりだが、浜の雰囲気が自然に伝わる。
しめ飾りは年の瀬までに350個製作する予定で、仕事の合間を縫って作業を進めている。妻のテツ子さん(61)も夜遅くまで手伝っている。
出来上がったしめ飾りは福島大神宮(常磐井武宮宮司)でお払いを受け、近所や同神宮、仕事仲間、全国各地の同級生に送っている。「福島が懐かしい」「立派なものをありがとう」という感謝の電話が相次いで入っている。
鳴海さんは「座ってばかりの作業だから足が痛くて、(先日)生まれて初めて整骨院に行ったよ」と冗談を交えながら、「これなら正月が終わっても食べられるから最高だ。皆の喜ぶ顔を思い浮かべると足の痛さも気にならない」と話している。
提供 - 函館新聞社
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