渡島保健所「地域ケア整備案」、療養病床4割削減

update 2007/12/24 12:14

 渡島保健所は、将来の医療・介護サービスの在り方を示す「地域ケア体制整備構想・南渡島圏域」案を策定した。同圏域の療養病床1644床(2007年4月1日現在)を12年度末までに約4割削減し、938床とする推進目標を定めたほか、介護予防事業の整備やかかりつけ医の普及促進などを進め、療養病床転換に伴う必要な医療・介護ニーズを確保するとしている。年内に道に報告し、年明けに正式策定となる。

 国は、医療費抑制を図るため、医療の必要性の低い患者が比較的多い療養病床を全国一律に削減する方針を2006年度の医療制度改革で打ち出している。道は道内21圏域ごとに同構想案の策定を求めており、道南では南渡島、北渡島、桧山、南桧山の各圏域で検討委員会を設置。函館、北斗、八雲など2市7町でつくる南渡島では、10月から構想内容の協議を重ねてきた。

 療養病床の転換推進計画は、同保健所が8月に医療機関対象で行った意向アンケート結果を踏まえて定めた。これによると、12年度までに廃止される介護保険適用の療養病床は776床あり、そのうち164床は医療保健適用への転換を希望。一方、医療保健適用は07年4月現在で868床あるが、そのうちの94床は一般病床への転換意向を示していることから、12年度まで確保すべき療養病床は938床としている。残りは老人保健施設などへの移行を図る。

 療養病床の再編成や高齢化の進展に伴い必要となる地域ケア体制の整備を実現するため、同構想では▽有料老人ホームなどの整備推進や高齢者ニーズに応じた多様な住まいの確保▽介護サービスや見守りに取り組む体制整備▽かかりつけ医の普及促進や在宅医療の知識・技術の普及啓発―などの方策を掲げている。

 同構想案は、21日函館市美原の渡島合同庁舎で開かれた第2回検討委員会(委員長・伊藤丈雄社団法人函館市医師会副会長)に報告され、了承された。出席した委員からは「国の在宅医療支援など不透明な部分があり不安が残る」「予想より緩やかな転換計画で安心した」などの意見が出た。

提供 - 函館新聞社



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