中央ふ頭のサイロ解体

update 2007/12/15 10:57

 函館中央ふ頭(函館市海岸町)の市有地にある太平洋セメントのサイロ3基の解体作業が進んでいる。土地の賃貸契約終了に伴い、原状回復する規約に基づく作業。サイロは1954年に建造され、現在に至っている。市民からは50年以上の歴史を持つサイロがなくなることを惜しむ声が聞かれる。

 市港湾空港部などによると、当時のアサノセメントが建造し、97年まで使用していた。建造時から市と土地の賃貸契約を交わし、1年更新で本年度の賃貸料は約513万円。2783平方メートルの敷地に、底面積190平方メートルのサイロ3基や付随する倉庫などがあった。

 同所にあった太平洋セメントの事務所移転に伴い、同社が今年8月24日に土地の賃貸契約解消を市に申し入れた。市も内部協議を経て9月25日、さら地に原状回復して引き渡すよう求め、同社も同意した。

 同社は一時、サイロの売却を検討し、旧函館ドック跡地の大型クレーン保存運動に取り組む石塚與喜雄さんに打診。石塚さんも購入に向けて活用策を検討したが、貸付地の転貸や借り受け権利を譲渡してはならないことが規約にあり、売買は成立しなかった。

 石塚さんは「他人の土地と建物なのであまり強く言えないが、サイロは産業遺産となる可能性があった。残す方向でもう少し検討してもらいたかった」と話している。

提供 - 函館新聞社



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