小さな親切作文コンクール、付属中2年の中村君が道内で唯一の入選

update 2007/12/7 18:41

 第32回「小さな親切」作文コンクール(社団法人「小さな親切」運動本部主催)で、道教大附属函館中学校2年の中村賢明(けんめい)君が入選し、道内でただ1人の栄誉に輝いた。見知らぬ中年女性に親切にし、自分の気持ちが温かくなった経験、そこから学んだ思いやりの大切さを文章にまとめ評価された。6日に同校で同運動函館支部の小笠原孝支部長が「これからも小さな親切を実践し、広めてください」と賞状を伝達。中村君は「入選は奇跡。『おばさん』に感謝したい」と喜んでいる。

 同コンクールは小中学生を対象に、親切について考え、思いやりの大切さを感じてもらう狙いで毎年開催している。中村君は国語の授業の一環で応募。「おばさんとの出会い」と題し、ことし2月ごろ、部活動の帰りに50代の女性からバスの乗り方をたずねられたときの出来事を原稿用紙3枚にまとめた。

 女性に声を掛けられ、最初は「普段バスに乗らないので分かりません」と立ち去ってしまったものの、自分も同様に道が分からなくて助けられた経験があることを思い出す。引き返して近くの店舗で乗り方を聞いてあげると、とても感謝され、女性からお金を差し出しされた。

 中村君は「慌てて返したが、こんなに感謝されたことに何だかうれしくなった」と、温かい気持ちになって帰宅したという。

 「最近の僕は自分のことで精一杯で、人を思いやる気持ちが少しなくなっていた」。自身を振り返るきっかけを与えてくれた女性に感謝し、「他人に思いやりや優しい心を持ち続けていこうと思う」とつづっている。

 同コンクールは全国4万5384人から応募があり、中学の部3万669人のうち、入選は中村君を含む50人。

提供 - 函館新聞社



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