旧厚沢部高校同窓会 町に100万円寄付
update 2007/12/6 13:44
【厚沢部】旧厚沢部高校同窓会(澤田孝一会長)は5日、1982年3月の閉校から25年を迎えたことを記念して、町内で進学を希望する中高生の奨学資金として役立ててもらおうと現金100万円を町に贈った。
澤田会長と同窓会事務局の伊勢浩さん、長谷川義晴さんが町役場で、渋田正己町長に現金を手渡した。寄付金は閉校当時、卒業生や町民から募った記念碑建設費の残金と、これまで積み立てた同窓会費が元手。澤田会長は「進学を志す子供たちの一助になれば」と話した。
定時制高校だった同校は48年3月、江差高校俄虫分校として開校。村役場や営林署の職員をはじめ、周辺の木工場や林業会社に勤める、向学心に燃る若者が入学した。終戦に伴い函館や江差の旧制中学校を中退し、同校に編入した人も多かったという。82年に江差高校と統合するまでの33年間で計1616人の卒業生を送り出している。
前町長で同校2期生の澤田会長は、当時の村役場に勤務しながら通学。「先輩方に支えられ勤務後の午後6時から9時まで授業を受け、夕食はいつも帰宅後だった」と振り返る。
終戦から間もない当時は、村全体が貧困にあえいでいた時代。中国東北部(旧満州)やサハリン(旧樺太)から財産を投げ打って引き揚げてきた人も多かった。
開校直後の同校では、経済事情から中退を余儀なくされる人も多かった。中でも当初は110人を超えていた第1期生のうち、編入組以外の新入生で卒業証書を手にできたのは、前同窓会長の久保田博さん(故人)ただ1人だったという。澤田会長は「当時の村長が『この1人が村の未来にとって大切な存在だ』と激励した言葉を今も忘れない。高校の歴史とともに、村を挙げて、若者の教育に取り組んだ、先人の思いを語り継ぎたい」と語り、逆境に耐えながら地域の教育にかけた先人の労苦に思いをはせる。
提供 - 函館新聞社
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