16日に平和クリスマスコンサート/馬頭琴とパイプオルガン共演

update 2007/12/5 15:53

 モンゴルの代表的民族楽器、馬頭琴(ばとうきん)とパイプオルガンという珍しい組み合わせの音楽会が16日午後2時半から、函館市杉並町の函館遺愛女子中学・高校講堂で開かれる。収益金は第2次世界大戦末期の沖縄戦を主題にした絵本「おきなわ 鳥のこえ」(小峰書店)の英訳本出版資金に充てられ、会場では絵本の朗読も行われる。主催者側では「珍しい楽器が共演するクリスマスコンサートで『平和』を考えて」と呼び掛けている。

 この絵本は本道出身の画家丸木位里(いり)さんと、妻の俊さん(ともに故人)が1年にわたり沖縄で取材し、1984年に出版した。沖縄の言葉を使い、住民の視点で惨状を語っている絵本を、英語圏の人たちに紹介しようとする函館ラ・サール中学・高校の教師ピーター・ハウレットさん(52)らが、公演の益金を出版資金に充てようと企画した。

 馬頭琴は本来、弦と弓を馬の尾の毛で作った擦弦(さつげん)楽器で、わずか2本の弦で音を奏でる。今回、馬頭琴を演奏するのはハウレットさんと親交があり、アメリカ在往で内モンゴル国家一級演奏家の李波(リポー)さん。パイプオルガンは函館在往のオルガン奏者石崎理(みち)さんが演奏する。2人は以前、石崎さんがチェンバロを弾いて共演したことはあるが、パイプオルガンでは初めて。石崎さんは「深みのある音があるパイプオルガンの方が馬頭琴と合っている」と話す。

 曲は李波さんがモンゴル民謡「スーホの白い馬」を演奏するほか、クリスマスソングでの共演が予定されている。

 また、同絵本を函館絵本の会銀のふねの和田ふみえさんが朗読する。朗読の途中に石崎さんの演奏も入る。「音楽と朗読の相乗効果で、絵本を体で感じることができる」と石崎さん。中でも足鍵盤だけで演奏する曲があり、パイプオルガンの魅力も存分に味わえるという。

 函館遺愛女子中学・高校では1982年に丸木さんの作品「原爆の図」函館展も開かれている。

 ハウレットさんは「沖縄戦では他都道府県出身兵の死者が7万6961人で、この中で本道出身は最も多い1万798人。北海道からこの絵本を世界に送ることの意義は大きく、クリスマスにあらためて平和について考えて欲しい」と話している。

 入場料は大人2000円、小・中学、高校生500円。函館市の松柏堂各店で発売中。公演の問い合わせは同絵本英語版出版プロジェクト事務局の鍋島さんTEL050・2020・9246。

提供 - 函館新聞社



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