にしん街道 標柱10基に/北海道歴史倶楽部が設置

update 2007/12/5 15:53

 【八雲、江差】江戸時代から終戦後の1940年代後半まで、本道の日本海沿岸に繁栄をもたらしたニシン漁。「鰊(にしん)御殿」に代表される建築物や郷土芸能などの文化遺産は、ニシンの群れを追う人々とともに、道南から約500キロ離れた道北まで続く。江差、上ノ国、松前の3町観光協会でつくる「北海道歴史倶楽部」(会長・疋田清美松前観光協会長)は、ニシン文化がたどった道のりを「にしん街道」と命名。街道のシンボルとして設置した標柱はこのほど、計10カ所に達した。

 10カ所目の標柱が設置されたのは、日本海に面する八雲町熊石鮎川地区。3日には川代義夫町長、標柱を寄付した八雲ライオンズクラブの餌取優会長らが除幕式を行った。

 同倶楽部は2003年、日本海沿岸に数多く残る鰊御殿や倉庫建築のほか、「袋澗(ふくろま)」と呼ばれる石組みの“いけす”などの遺構とともに、「沖揚げ音頭」などの郷土芸能も含め、ニシン文化を本道の新たな観光資源にしようとする「にしんルネサンス事業」をスタートした。

 これまでに渡島、桧山、後志の3支庁管内で、フォーラムや郷土芸能の発表、漁具の展示などを行うと同時に、「にしん街道」のシンボルとして、沿岸自治体や構想に賛同する有志の協力で「にしん標柱」の設置にも取り組んでいる。

 標柱の設置は2004年、上ノ国町の旧笹波家住宅(重要文化財)を起点に、江差、せたな両町で2カ所、松前町、奥尻町、八雲町、後志管内岩内町、積丹町では1カ所ずつの標柱を設けてきた。年度内には同管内寿都、古平の両町でも設置を予定している。

 同倶楽部で、にしん街道標柱設置協議会幹事長を務める打越東亜夫・江差観光コンベンション協会長は「沿岸自治体の協力で、標柱は渡島、桧山、後志の3支庁管内の10カ所に達した。ニシン文化が栄えた証しとして、来年度以降も石狩、留萌、宗谷と道北での設置を進めたい」と意欲を見せている。

提供 - 函館新聞社



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