上期観光入り込み322万人、夏場の落ち込み響く

update 2007/12/2 16:22

 函館市はこのほど、2007年度上期(4―9月)の観光入り込み客数(推計値)を発表した。入り込み客数は前年同期比2・6%、8万5000人減の322万人で、上期の入り込み数としては過去10年間で最少だった。特に道外客の落ち込みが激しく、同4・2%、9万人減の205万3400人、宿泊客数もほぼ同数が減少した。市商工観光部は国内での観光需要の低下、地域間競争の激化を要因として挙げ、「稼ぎ時のゴールデンウイークや夏場の落ち込みが響いた」としている。

 同部は、道内では旭山動物園(旭川市)のブームが続き、来年7月にサミットが開催される洞爺湖に関心が高まっていると分析。修学旅行が春から秋にシフトしていることなども理由に挙げている。月別では5月の落ち込みが最も激しく同9・3%、5万5600人減の54万4500人。7月も同5・6%減少した。9月は函館―青森間の高速フェリー就航や2回の3連休などもあり、回復基調だった。

 交通機関別でみると、航空機は国内便が機材の縮小、国際便は台湾チャーター便の便数減などが響き、同8・0%、3万5300人減の40万3400人。JRも津軽海峡線の利用が落ち込んでいる。

 宿泊・日帰り別では、約6割が宿泊客で構成比に変動はないものの、実数は大きく減少。市と函館国際観光コンベンション協会が行った観光アンケート(06年度)では、滞在中の宿泊客消費額は約3万8000円で、このまま減少数9万人を当てはめると約34億円の損失となる。

 例年、下期(10―3月)は変動が少なく、過去10年は平均158万人で推移。本年度も500万人台を回復するのは厳しい状況にある。しかし、大手広告代理店電通・消費者研究センター(東京)が3月に首都圏で行った調査によると、旅行先魅力度ランキングで函館が国内3位になるなど、各種観光調査では依然として評価は高い。

 同部は、函館の広告付き電車を首都圏で走らせるなど、国内客誘致にも力を入れており、「新幹線時代を見据えて、道南の松前、江差などの周遊ルートPRや、青森との広域観光の連携強化などを検討する必要がある」としている。

提供 - 函館新聞社



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