現職VS新人…道議選 桧山支庁区

update 2007/3/8 12:19

 道議選(30日告示、4月8日投開票)の桧山支庁区(定数1)は、民主党推薦の現職、福原賢孝氏(58)と自民党の新人、佐々木俊司氏(41)が激突する。道議選告示から約半月後に火ぶたを切る町長・町議選の情勢とも相まって乱戦模様を描き始めている。

 前回選挙(2003年)で福原氏は、自民推薦の現職、国沢勲氏を337票差で破った。江差、上ノ国、旧北桧山は数百票差で引き離したが、厚沢部、今金は互角。乙部・奥尻など4町は国澤氏が上回った。

 今回、各町の票はどう動くのか。民主党の鉢呂吉男衆院議員の地盤で、福原氏が4年間で着々と票固めを進めた管内北部の守りは手堅い。南部でも、候補者選考が迷走した自民党を尻目に一時は楽観ムードも漂った福原陣営だが、佐々木氏の出馬表明直後から組織の引き締めに素早く動いた。「無投票では知事選が盛り上がらない。道議選があれば組織の動きは見違える」と、高い浸透度を武器に臨戦態勢に突入する構えだ。

 一方、管内のある自民党支部長は「前回は選挙態勢が弱かったが互角に持ち込んだ。桧山は保守の地盤。波に乗れれば勝ち目が見える」と語る。だが、国沢氏の落選から道議候補を欠いたまま4年間を過ごした自民党の停滞ムードは懸念材料だ。

 候補者選考で強いイニシアチブを発揮した中村勉道8区支部長を先頭に、公共事業削減に危機感を抱く建設業などの保守系の業界団体を軸に体制作りに躍起だが、「自民党が迷走を続ける中で福原氏は路地の隅々を歩いた。4年間のブランクは大きい」と党関係者はこぼす。
=◇=

 佐々木氏の地元・厚沢部町。町長選は澤田孝一町長(73)と前助役の渋田正己氏(63)の再戦だ。前回町長選で佐々木氏は、渋田氏の選対役員だった。だが、今回の統一選で両氏は一線を画した。「福原氏に近い町議が支援に転じたこともあり渋田氏の軸足は福原氏に傾きつつある」(関係者)との観測も。

 両氏を支持する保守層はどう動くのか。「幅広い支持層の澤田氏も旗幟(きし)を鮮明にしにくい」(同)との見方も。澤田氏は中立を保つのか。佐々木氏擁立は町長選の構図にも複雑な“ねじれ”をもたらし始めた。

 福原氏の地元・上ノ国町はどうか。03年の町長選で工藤昇町長に敗れた福原氏は、道議にくら替えし、06年の町長選は無風に。福原氏の事務所開きで、工藤氏は“上ノ国党”を名乗り、げきを飛ばした。自民党の候補者擁立が難航する中、保守系や工藤氏周辺で「道議は福原。知事は高橋」の声が公然と聞かれた。与党道議不在の管内各町で同じささやきが漏れていた。

 だが、状況は一変。「選挙で工藤氏は動けない。町議選を控えた保守系も地元候補(福原氏)をけ落とせば反発を買う」(関係者)。

=◇=

 大票田・江差町の攻防も焦点だ。2月に町内で開かれた高橋はるみ知事の後援会。知事のブレーンで中央政界にも影響力を持つ寺島光一郎乙部町長が500人の聴衆を前に切り込んだ。「前回の知事選で江差はダブルスコアで負けた!」。保守系と労働組合の双方から支援を受けて無投票再選した濱谷一治江差町長が顔をしかめた。

 あらゆる選挙で自民党が圧勝する“保守王国”の乙部町。票の重みは寺島町長の発言力を裏書きする。ある町の幹部は「統一選は踏み絵。地方に逆風が吹く中で与党票が少ない町は圧殺されるのか」と嘆く。

 佐々木氏擁立には、空白区を認めない自民党道連の意向が強く働いた。知事選との連動とともに衆院補選への前哨戦の色合いが濃いからだ。桧山では希薄だった中村8区支部長の存在感は、道議選の陣頭指揮を執ることで思惑通り膨らんでいる。

提供 - 函館新聞社



前のページにもどる   ニュースをもっと読む



ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。

ページ先頭へ

e-HAKODATE .com
e-HAKODATEは、函館市道南の地域情報や函館地図、旅行観光情報、検索エンジンなど、函館道南のための地域ポータルサイトです