函館市の中期財政試算/5年間で財源不足261億円

update 2007/11/27 10:58

 函館市は26日、来年度から5カ年の中期財政試算をまとめた。一般会計は5年間で261億5000万円の財源不足が生じるが、行財政改革と起債(借金)の発行、財源調整用の基金活用で263億1400万円を生み出し、収支の均衡を図る。使途が限られている特定目的基金からの借り入れはしない。28日の市議会総務常任委員会の委員協議会に報告する。

 団塊世代の退職金が人件費を増加させ、来年度は退職手当債を28億円発行する。また、来年度から西尾正範市長の公約である乳幼児医療費の助成拡大を予定し、毎年2億円の財源を確保する。

 歳入の柱となる普通交付税が本年度、当初予算に比べ約14億円減少したことが、試算に大きく影響した。財源不足は本年度の決算見込みで45億2000万円。来年度からも単年度で56億円から45億円の財源不足が生じ、この額は退職者の数と比例している。

 歳出では、毎年度の普通建設事業費を本年度比16・2%減の89億円に抑制。歳入では市税収入の伸び率を5年間ゼロ、来年度の普通交付税と、交付税の不足分を起債で賄う臨時財政対策債の総額を本年度より2・5%減とし、以降は同額を見積もった。

 5年間の財源不足261億5000万円は、職員削減や経費節減などの行財政改革で145億1400万円の効果額を生み出す。また行政改革推進債と退職手当債の発行で113億円、財源調整用の基金の取り崩しで13億円の財源を充て、それぞれ単年度黒字を目指す。

 財源調整用の財政調整基金と減債基金、土地開発基金は2010年度でほぼ底を突くが、在宅福祉ふれあい基金や地域振興基金などの特定目的基金には手を付けず、最終的に91億2500万円を残す予定。

 市財政課は「退職手当債より特定目的基金から借り入れした方が金利は安いが、社会情勢の変動などに備え、借り入れをしない方針にした」と話している。

提供 - 函館新聞社



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