激動の時代生々しく…24日、戦中〜戦後 函館で少女時代送ったオリガさん招く

update 2007/11/21 13:23

 両親がロシア人で、戦中から戦後にかけて少女時代を函館で過ごし、現在はキューバ在往のオリガ・ズヴェーレヴァさん(67)を迎えた特別報告会「函館で生まれ育ったロシア人 オリガさんを迎えて」が、24日午後1時半から同4時半まで市地域交流街づくりセンター(函館市末広町4)で開かれる。函館の古き良き時代を知るとともに、父親がスパイ容疑で逮捕され獄中死するなど、まさに時代に翻弄(ほんろう)されて生きてきた一人のロシア人女性。主催する函館日ロ交流史研究会の長谷部一弘世話人代表は「激動の時代、函館を見ていた人物。思い出だけにとどまらない貴重な話を聞くことができる」とし、来場を呼び掛けている。

 同研究会は1993年に発足。定期的にロシアとかかわりのある人を招き、報告会などを開いている。2003年に開いた創立10周年記念シンポジウムでは、オリガさんの姉で、33年から43年までの10年間を函館で過ごしたガリーナ・アセーエヴァさん(ロシア在往)を招いた。

 オリガさんの父は、ロシア革命(1917年)を逃れ亡命してきたクジマー・ズヴェーレフさん。クジマーさんは「北海道亡命露人協会」の代表として極東地方から逃れてきたロシア人を救っていた。オリガさんは40年、母ダーリアさんとの間に6人きょうだいの末っ子として生まれた。クジマーさんは43年、スパイ容疑で逮捕され、翌年獄中死した。

 一家は松風町で喫茶店を営んでいた。オリガさんは大谷幼稚園、旧大森小学校、遺愛女学校に通学。54年、14歳のとき東京へ移った。以後、ロシアの大学でキューバ人と知り合い64年に結婚、現在に至っている。

 オリガさんはガリーナさんよりも函館にいた期間は長く、現在でも日本語を話せる。当時繁栄していた大門地区のにぎわいぶりも記憶に残っている一方、あの時代ならではの苦労もした。長谷部さんは「函館の変化に加え、自身の生々しい話がされる。オリガさんを知る人に限らず、当時の函館や時代背景を知るには良い機会になると思う」と話している。

 会場ではオリガさんの所蔵品を含めた写真や資料のパネル展も開催。参加は資料代として500円。事前申し込みは不要で、直接来場する。

提供 - 函館新聞社



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