朗読奉仕会が初の吹き替え…25日にユニバーサル映画「筆子・その愛」

update 2007/11/20 15:41

 “障害児教育の母”と呼ばれた石井筆子(1865―1944)の生涯を描いた映画「筆子・その愛―天使のピアノ―」(山田火砂子監督)上映会が25日、函館総合福祉センター(函館市若松町33)で開かれる。8月に北斗市で行われた第2回北海道ユニバーサル上映映画祭=実行委(島信一朗代表)主催=の関連企画。今回は初めて、目の不自由な人のために、日本語字幕の吹き替え作業も行われ、障害者が映画を楽しむ環境に万全の配慮がなされた。

 昨年からスタートした道ユニバーサル上映映画祭は、函館など地元ボランティアらの手で字幕・音声ガイド、ミュージックサイン、補聴援助システム、手話通訳、要約筆記、車いす席、託児所などのサポート体制が取られている。

 障害者や高齢者、健常者が一緒になって気軽に映画を楽しむことのできる環境が整備され、好評を得ているが、今回はさらに字幕吹き替えにも取り組んだ。

 今回上映される「筆子・その愛」は、日本で最初の知的障害児(者)施設「滝乃川学園」に生涯を捧げ、大勢の園児たちに愛情を注いだ石井筆子の姿を描いた作品で、筆子役を女優の常盤貴子が熱演している。

 映画の中では、外国語での会話部分に日本語の字幕が登場するが、目の不自由な人は読み取れないため、その字幕のせりふを録音するのが、函館朗読奉仕会(船矢美幸会長)のメンバーだ。これまで、状況を説明するナレーションは録音してきたが、せりふを録音するのは今回が初めて。このほど行われた録音作業では、島代表(函館)の厳しいチェックを受けながら、画像とセリフがぴったり合うまで何度も録り直しが続いた。

 朗読を始めて10年になる有馬起代さんは「映画の吹き替えは初めてだったので、とても緊張した。観客が違和感なく映画の世界に入り込んでくれればうれしい」と話している。

 上映時間は1回目が午後0時半、2回目が同4時半から。映画上映に続いて、石井筆子のメッセージの朗読も予定されている。入場料は一般1000円、小中学生、高校生500円。チケットは松柏堂プレイガイドなどで販売中。問い合わせは実行委TEL0138・31・0010。

提供 - 函館新聞社



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