ハコセン 民生法申請…負債総額は160億円

update 2007/11/15 13:19

 信販会社、ハコセン(函館市千歳町9、辻憲一社長、従業員28人)は14日、札幌地裁に民事再生法の適用を申請し、再生手続きの開始決定を受けた。同社によると負債総額は約160億8200万円で、資産総額を差し引いた債務超過は約40億2900万円となっている。カードローンのサービスは継続され、今後は同業者のほくせん(札幌)の支援を受け、財務体質の健全化を図りながら再建を目指す。

 同日、記者会見した申請代理人によると、主な原因は(1)消費者金融部門が、金利規制や大手との競合により利益低下を招いた(2)2004年12月に乗り出した法人への事業融資で不良債権が発生した(3)取引先金融機関からの融資停止―の3点。

 特に(2)については、地域コミューター航空会社エアトランセ(函館)に対して、法人に約14億円、江村林香会長と中山淑惇社長に合わせて約6億円の貸し付けをしている。事業融資先は約80社だが、ほとんどは100万円以下という。

 ハコセンは1952年、クレジットローンによる割賦販売を目的にした協同組合「函館専門店会」として設立。65年に貸金部門として函専クレジットを法人化、2005年10月に協同組合を株式会社に組織変更して、翌年2月には函専クレジットを吸収合併する形で、ハコセンに商号を変更した。今年3月末時点でカード会員数は約5万3000人、加盟店数は2199店。

 同社によると、融資の最終判断は、協同組合時代から非常勤の社長ではなく、常勤者が決定するのが通例となっており、法人化後もその手続きが常態化していた。こうした経営方針が今後、問われそうだ。

 記者会見に臨んだ辻社長はエアトランセへの融資について「今年2月の定期便運休の報道を受けて、不安があったのは事実。それまでの流れがあり、維持する必要があると思っていたが、6月の社長就任を機に融資額などを確認したところ、これ以上続けられないと判断した」と説明。

 また、当時常勤の専務だった竹ヶ原克司取締役は「江村会長にIT関連の知人とのつながりがあると聞いていたので、資金調達が見込めると思った」と釈明した。

 今後、ハコセンは加盟店に対しては、100万円を上限に弁済に応じ、カード会員は、従来通りのサービス提供を保つ。22日に市内のホテルで債権者説明会を開く予定。再建計画案の提出は、来年4月末を期限とし、現在勤める従業員の雇用を確保しながら経営基盤を立て直し、めどが立ち次第、辻社長と竹ヶ原取締役は退任することを表明している。

提供 - 函館新聞社



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