あす「かまぼこの日」・「ヤマサ宮原」五代目予定の一馬さん奮闘
update 2007/11/14 11:33
「ありがとうございました!」。威勢の良い声が店内に響く。函館市豊川町2のかまぼこ製造販売業「ヤマサ宮原」(宮原秀夫社長)は、道内にあるかまぼこ店の中で最も古い歴史を持つ。創業から120年余り、四代にわたり伝統の味とおいしさを追求する精神を守り続けてきた。宮原社長(58)の長男で、五代目になる予定の専務の一馬さん(35)は「いつも変わらない味を提供したい」と話している。15日は「かまぼこの日」―。
かまぼこの日は、日本で最古のかまぼこの記録が残る西暦1115(永久3)年にちなみ、全国かまぼこ水産加工業協同組合連合会(東京)が1983年に定めた。
ヤマサ宮原は1883年、初代の故・宮原徳松さんが当時の恵比須町(現在の末広町)に開業。代々社長の名を継ぎ、大火による3度の全焼や戦時中の取り壊しなどを経て1948年、三代目の故・徳松さんが現在地に店舗を新築した。現社長は四代目に当たる。
同社では焼き、蒸し、揚げの各かまぼこ数十種類を製造。特に人気があるのは、スライスしたタマネギを練り込んだ「玉ねぎ揚げ」(1個105円)で、常連客の1人、高橋千尋さん(厚沢部町在住)は「タマネギの甘さが良く出ていて大好物」と太鼓判を押す。ほかにも、地元産スルメイカを練り込んだ「いか浜焼き」(1個126円)や「ホタテちぎり揚げ」(300グラム525円)などの商品が並び、奥尻町から足を運ぶ客もいるという。
一馬さんは市内の稜北高卒業後に入社。現在は経営と営業分野を担当し、弟で、工場長の章倫さん(31)と共に会社を支えている。
「季節で原材料の味も変わり、毎日同じ水準の商品を作るのは大変。長い歴史の重さを実感する」と一馬さん。「嫁いだばかりの母や、店を手伝っていた子どものころの自分を知っているお得意さんも多い。今のニーズに合った商品も開発しながら、“いつも同じ味”を守っていきたい」と、力強く語っている。
提供 - 函館新聞社
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