富岡男性殺害/1審破棄、内妻に懲役5年、長男を家裁移送

update 2007/11/14 11:32

 【札幌】函館市富岡町で昨年10月、同居する無職男性(当時41)を殺害し、遺体を自宅近くの空き地に放置したとして、殺人と死体遺棄の罪に問われた内縁の妻で無職の母親(46)とその長男(17)の控訴審判決が13日、札幌高裁であった。矢村宏裁判長は「長期間にわたり理不尽な暴力を振るうなど、被害者にも極めて重大な落ち度があった」と認定し、母親を懲役7年(求刑懲役9年)、長男を懲役2年6月以上3年6月以下(同懲役3年以上―5年以下)の不定期刑とした1審の函館地裁判決をいずれも破棄、母親を懲役5年、長男を函館家裁に移送する決定を言い渡した。

 矢村裁判長は、長男について「夫婦間の暴力や子どもへの虐待が存在する環境で育ったため、判断能力や社会適応性の未熟さが強く現れている」と指摘し、「刑罰を科すよりも、中等少年院送致といった保護処分で健全育成を図るのが相当」と述べた。長男は再び同家裁で少年審判を受けることになる。

 弁護側は男性の家庭内暴力(DV・ドメスティックバイオレンス)に対する過剰防衛が成立するとして、刑の免除を主張していたが、矢村裁判長は「差し迫った侵害行為があったとは言えない」として退けた。その上で「1審判決は重すぎて不当」として情状酌量を認めた。

 判決によると、2人は度重なる男性からのDVに耐えかねて殺害を決意。昨年10月19日未明、自宅で男性に睡眠薬を飲ませて眠らせ、胸を小刀で刺し、ネックレスなどで首を絞めて殺害し、遺体を近くの空き地に遺棄した。

提供 - 函館新聞社



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