処分ペット 年1千匹超…市立函館保健所

update 2007/11/9 14:34

 動物に癒やしを求める人が増え、全国的なペットブームとなっている半面、飼い主の飼育放棄などで市立函館保健所(函館市五稜郭町)に持ち込まれ、殺処分される犬や猫の数は年間1000匹を超えていることが分かった。道内では年間約1万匹にも上り、道は8日までに、ペットの適正な飼い方を求める「動物愛護管理推進計画」の素案をまとめ、来年度の施行を目指している。動物の病気などを理由に保健所に持ち込むケースもあり、同保健所では「飼う責任を自覚して」と飼い主のモラル向上を呼び掛けている。

 同保健所によると、2006年度に持ち込まれた犬は130匹、猫は1008匹で、そのうち犬94匹、猫1004匹の計1098匹が殺処分された。近年の処分数はほぼ横ばいで、03年度は犬猫合わせて1032匹、04年度は同981匹、05年度は同1178匹だった。渡島保健所にも06年度、合わせて30匹が持ち込まれている。

 一方、新たな飼い主などが見つかり譲渡されたのは全体の1割にも満たず、06年度は犬猫合わせて40匹にとどまった。この傾向も数年変わらず、03年度は同76匹、04年度は同93匹、05年度は同77匹となっている。

 同保健所は「犬が高齢になり、世話が大変になったなど、飼い主の都合で持ち込まれるケースもある」としている。

 道自然環境課によると、札幌、旭川、函館、小樽を除く40の道立保健所では昨年度、犬猫約1万3000匹が持ち込まれ、そのうち9800匹が処分された。同計画素案では、元の飼い主への返還率を上げるなどし、処分数を来年度から17年までの10年間で半減させることなどが示されている。

 同保健所でも新しい飼い主への譲渡数を増やそうと、インターネットなどでの情報提供を準備中だが、「まずは飼い主が新しい引き取り先を探したり、病気なら最後まで看取るなどしてほしい」と話している。

提供 - 函館新聞社



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