ホタテやイカの廃棄物有効利用 進む研究 事例紹介…水産ゼロエミッション研究会
update 2007/11/9 14:34
道内で初開催となる「第6回水産ゼロエミッション研究会」=同研究会(千葉県)主催=が8日、北大函館キャンパス内の函館市産学官交流プラザで開かれた。ホタテやイカなどの残さを利用した研究事例の発表、総合討論で、水産副次産物や廃棄物の有効利用に理解を深めた。
道内では、水産副次産物にかかわる研究が盛んで、さまざまな技術や再利用方法が生まれている。北大大学院水産科学研究院の高橋是太郎教授は「ホタテやイカの事例を紹介するが、有効利用はゼロエミッションのごく一面でしかない。総合的な社会システムに踏み込んだ考察は、まだまだこれからになる。道内で2回目の開催も視野に進めていきたい」とあいさつした。
特別講演では函館市内で進められている研究事例を中心に発表。このうち、道立工業試験場(札幌)環境エネルギー部の作田庸一部長は、同試験場で1991年から取り組むホタテのウロや貝殻の再利用方法を紹介した。
道内では2005年に約45万トンの水産廃棄物があり、貝殻44%、ウロ6%など、ホタテ関連が半数以上を占めた。作田部長は2000年から森町内の施設で使用されている、ウロ中の重金属カドミウムの分解プラントの仕組みを説明した。
また、ホタテ貝殻の特徴を「石灰石と比べ緻密(ちみつ)な構造で、化学組成も鉄やアルミニウムが少なく、白色度が高い」とし、さまざまな場面で利用されている実例を解説。アスファルト舗装用の充てん剤として利用すると「わだちができにくい」、道認定のリサイクル製品として全国販売されている黒板用のチョークは「強度があり、書き味も鮮明」などとした。
このほか、特別講演では、イカ墨インクの開発事例や、ヒトデ粉砕物から生まれた土壌改良材などを紹介。同研究院の三浦汀介教授が「持続可能な水産業とは」と題して基調講演した。
提供 - 函館新聞社
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