警察犬フィフィ 天国へ/4年間活躍 ご苦労さま
update 2007/11/3 11:40
道警函館方面本部の嘱託警察犬として4年間活躍したフィフィ・オブ・ドーケシソウ号(ドイツシェパード、雌10歳)が10月下旬に急死したのに伴い、道警函本は2日、飼い主で訓練士の黒瀬一也さん(60)=函館市深堀町=に感謝状を贈呈した。昨年は道内の嘱託警察犬の中でトップの出動回数32回を誇ったフィフィ。同本部の米田繁則鑑識課長から賞状と記念品を受け取った黒瀬さんは「フィフィは家族同然だっただけに、突然の死は本当に悲しい。これまでご苦労さまと言いたい」と、元気だったころの写真に目を細めた。
フィフィは1997年江差町生まれ。生後55日で、黒瀬さんが同町のブリーダーから警察犬の“原石”として買い取った。人懐っこく活発な性格で、生後5カ月目から警察犬としての訓練を始めた。初歩的な「お座り」や「伏せ」など服従訓練を約3カ月間行い、嗅覚(きゅうかく)を生かし、足跡のにおいで捜索する「追及」分野で着々と能力を磨いていった。
ただ、年1回行われる嘱託警察犬の審査会で合格するまでに5年を費やす「大器晩成型」だった。黒瀬さんは「性格的に少し落ち着きがなかったから。でも合格した後は任務を全うしてくれた」と振り返る。
2003年8月に初めて委嘱されてから4年間、強盗や窃盗、行方不明者の捜索など計99回出動した。同鑑識課の信頼も厚く、米田課長は「警察の捜査に多大に貢献してくれた。フィフィが残した功績は大きい」とたたえる。印象に残る出動は05年11月ごろ、函館山の行方不明者の捜索。登山道から大きく外れた場所で不明者と遺留品を見つけ出した。黒瀬さんは「よくやったという気持ちだった。忠実に動いてくれた」と話す。
あと1回の出動で100回の節目となるはずだったが、10月23日昼に突然、自宅で調子を崩し、そのまま静かに息を引き取った。「さみしいけれども、訓練士としてこれからも警察の捜査や捜索に役立つような犬を育てていきたい。フィフィのように」と黒瀬さんは話している。
提供 - 函館新聞社
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