大雪丸よみがえる…北斗市の高校生が模型修理、「チョロQ」2500セット限定発売
update 2007/11/1 10:29
大雪丸の勇姿再び―。青函連絡船で活躍し、現在は長崎に係留されている大雪丸の模型やぜんまい仕掛けのミニカー「チョロQ」が2日から、函館市若松町12のJR函館駅2階「いるか文庫」に登場する。青函連絡船就航から100年。大雪丸の新たな伝説が生まれる。
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本物そっくりの汽笛を鳴らし、座席など細部まで美しい縮尺約100分の1の大雪丸の模型が“復活”した。30年前に青函連絡船に携わる人が制作し、このほど地元の高校生が中心として傷んでいた部分を修理した。
この模型は青函連絡船の修理会社に勤務しており昨年5月に亡くなった木村政勝さん(享年81)が1978年ごろに制作した。自宅玄関に飾っていたが、家族が11月、NPO法人(特定非営利活動法人)「語りつぐ青函連絡船の会」(石黒隆理事長)に寄贈した。塗装や内部の痛みが激しく、同会では就航100年の記念事業として修復することにした。
修理は同会のイベントに参加経験がある函館水産高2年の田中良拓さん(17)ら北斗市在往の高校生2人に依頼。田中さんらは半年間、毎週末に田中さんの家のガレージで作業した。
模型は全長132センチ、幅18・5センチ。下部が木材、上部はトタン製。作業は各部屋などパーツごとにばらして修理し、組みなおした。「素材が縮み、組み合わず難しかった」と田中さん。客室前方の曲線を蘇えらせたことに笑顔を見せる。赤と緑の塗装を施し、船は輝きを取り戻した。
室内灯は豆電球だったものが、東京の電器メーカーの協力を得て発光ダイオード(LED)に変更。また、大阪の汽笛メーカーが本物同様の汽笛が鳴るスピーカーを提供した。木村さんの三女の木村英子(松川町)さんは「きれいになり、父も喜んでいると思う」と感慨ひとしお。同会の白井朝子理事は「船の様子を知ることができ、たくさんの人に見てほしい」と話していた。
いるか文庫の開館時間は午前10時から午後5時まで。水・木は休館。
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NPO法人(特定非営利活動法人)「語りつぐ青函連絡船の会」(石黒隆理事長)は、青函連絡船「大雪丸」のチョロQを新たに製作。これまで販売している摩周丸、羊蹄丸、八甲田丸に加え4個1組で「青函連絡船100年記念セット」として、11月2日から2500個を限定販売する。同会は「記念セットの販売は初めて。連絡船の記憶や功績を伝えるためにもぜひどうぞ」とPRしている。
旧国鉄の青函連絡船は1908年3月7日に比羅夫丸が就航し、青函航路を4時間で結んだ。青函トンネル開業により、連絡船は1988年3月13日で終航。来年は就航100年、終航20年の節目となる。これに合わせて、大雪丸(就航期間65年5月16日―88年1月6日)のチョロQを製作した。
連絡船は函館の摩周丸をはじめ、青森で八甲丸、東京で羊蹄丸が保存・活用されている。大雪丸も長崎で宿泊施設として活用後、閉館されたが、船自体は保存されている。
国内に現存する4隻のチョロQを作製・販売することで、同会は「80年にわたり本州と北海道の大動脈として活躍したことを広くアピールしていきたい」と話している。
大雪丸単品は1個1000円で、10個まで送料は500円。4個セットは4000円で、2つまで送料は500円。JR函館駅2階「いるか文庫」(水・木休館)で11月2日から販売する。
郵便振替で注文もできる。口座番号02750―1―75533、加入者名「語りつぐ青函連絡船の会」、通信欄に商品名・個数を記入し、送金する。
申し込み・問い合わせは、いるか文庫рO138・22・6801。
提供 - 函館新聞社
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