日本海の磯焼け防止に期待…イカゴロ海中施肥スタート
update 2007/11/1 10:28
【乙部】深刻化する日本海の磯焼けに歯止めを掛けようと、乙部町の漁業者を中心に、水産加工場で発生するイカ内臓(イカゴロ)を活用して、海藻類の肥料や魚介類の餌として海中に還元する、道内初の試験事業が31日に始まり、乙部沖の2カ所で、金属かごに納めた計200キロのイカゴロを沈めた。
磯焼け対策として、栄養分に富むイカゴロを活用した「海中施肥(せひ)」の実施は道内初。水産廃棄物の海中投棄が厳しく規制される中、全国的にも例が無いという。上ノ国町でも昨年度、イカゴロを餌に定置網に魚をおびき寄せる集魚試験を開始しており、イカゴロを海中に還元して活用する取り組みとしては道内2例目となる。
同日は、館浦の館ノ岬、三ツ谷の琴平岬の沖合で、ホタテ養殖用のクレーンを持つ漁船を使い、冷凍したイカゴロを100キロずつ入れた金属かごを水深約10メートルの海底に沈めた。
水質汚濁などの影響は無かった。イカゴロは数日で分解され、栄養分が周辺海域に拡散。海藻が消失する磯焼け現象の拡大を防ぎ、魚介類の成長を促す効果が期待されている。
月内には、豊浜沖でも投入を計画している。3地点では定期的にイカゴロを補充して、海藻や魚介類の生育状況を水中カメラで観測するという。
試験事業は、町内の9漁業者とひやま漁協乙部支所を中心に実施。補助金などは受けず、費用は漁業者が負担する。町内では「豊かな浜づくり協議会」(会長・寺島光一郎町長)も10月19日に発足。全町的な取り組みとして試験事業を支援する。
提供 - 函館新聞社
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