レンタカー、周遊…シンガポールからの観光客 個人型にシフト需要増加に期待
update 2007/10/31 11:23
シンガポールの旅行会社「プライムトラベル」のツアー観光客17人が29日、道南地方を訪れた。一行は5泊の日程でレンタカーを運転しながら、道南各地や青森県などの観光を楽しむ。9月の道交法改正で、台湾人の自動車運転免許の国内使用が解禁されたこともあり、外国人がドライブを楽しみながら観光地を巡るスタイルは今後、一層増えるとみられる。道南もこうした「周遊型観光」振興の可能性を秘めている。
同社は3年前から道内でレンタカーを借り、ドライブを楽しむツアーを提供。本道は自然景観や食べ物などで人気が高く、道南地域は札幌圏に次いで需要があるという。今回のツアーは函館入りした後、フェリーで青森、秋田県などを回り、再び函館に戻るコース。日程は過密だが、北東北を含めた長距離周遊型観光の需要があることがうかがえる。
ツアーに同行した同社の西村理佐副社長は観光動向について「北海道は四季を通じて人気が高く、『青函』は重要な地域。今回は5泊と短いが、シンガポールでは7―8泊が主流」とし、「函館空港を使ったチャーター機の双方向運航ができれば、まだまだ市場は拡大するはず」と期待する。
渡島支庁のまとめによると、2006年度に管内で宿泊した外国人客は約6万8700人で、シンガポールは前年比53%増の約2900人を数えた。全体の約62%に当たる約4万2700人を台湾人が占めており、運転解禁で台湾人向けのドライブツアーが定着することも予想される。
今回は、周遊型観光ルートの振興を目指す「シーニックバイウェイ北海道函館・大沼・噴火湾ルート」の折谷久美子事務局長が知人らに協力を呼び掛け、着物の着付けや生け花体験を企画。シンガポールの一行はこの日、宿泊先の函館大沼プリンスホテル(七飯町西大沼温泉)で日本文化に触れた。
参加したデリック・ウォングさん、カムチェング・フーさん夫妻は4度目の来日で、昨年に続いて本道を選んだ。2人は「大沼は紅葉がとても美しかった。今回の函館滞在は短すぎるので、必ずまた訪れたい。着物は姿勢が良くなりますね」と話していた。
折谷事務局長は「事前の準備もいろいろとあるが、無理のない範囲で、長く続けられるような取り組みを考えたい」とし、「シーニック」の周遊型ルートを広く海外にも周知できるチャンスと考える。
市観光課はドライブ型の観光スタイルについて「徐々にではあるが、道南でも周遊型観光が定着しつつある。車の観光は事故を伴うことも予想されるが、海外客も団体型から個人型の観光にシフトすれば、需要は増えるのでは」と話している。
提供 - 函館新聞社
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