人の心と技 街つくる…野尻博さんが講演と公演
update 2007/10/24 11:21
全国各地で街の活性化に関する講演と大道芸披露に取り組むNPO法人(特定非営利活動法人)全国元気まちづくり機構の野尻博理事長(富山)の講演、大道芸公演が22日夜、函館市民会館で開かれた。「街づくりには、技と心をバランス良く磨くことが大切」と話した後、一人で10種類以上の楽器を演奏。約250人の来場者は2時間にわたる熱弁と熱演に感心しきりだった。
市内日吉町の田中豊子さんが今年、石川県で野尻さんの話や芸に触れ感動し、「野尻さんを函館の人に紹介したい」と実行委を設立、来函が実現した。
野尻さんは、街づくり事業は自治体や商工会などではなく、住民が創造して進めていくことが大切と説き、「無関心、出来ない理由や悪口ばかり口にする人が多いようではいけない。人を愛し、愛されることからすべてが始まる」と話した。
野尻さんは来場者に「函館の自慢は何ですか」と尋ねた。「夜景」「イカ」に続き「人情」と答えが出た時、野尻さんは笑顔を見せ、「綺麗な夜景でも、住む人の心も美しくなくてはいけない。函館は人情を大切にし、ほかの地方都市にみられる“ミニ東京”にならないでほしい」と語った。
また、「人は幸せを求める。心のこもったもてなしと、喜ばせてくれるところには何度も行きたくなる。もてなしはお互いが心地良くなることが大切」とし、自分が提供する物や形ばかり強調するのではなく、人が何を求めるのかを考える必要を指摘。そのためには自身の心と技のバランスが大切と強調した。最後に「今一度、技と心をリセットし、函館にしか無い異空間は何かを考え、街づくりを考えてほしい」と呼び掛けた。
講演の後、大道芸に入り、ギターを持ち、口にはハーモニカ、頭には足や手で動かすドラムなど計10種類以上の楽器を操り歌謡曲などを演奏。世界でただ一人の芸を心を込めて紹介。拍手を送った同市千代台町の岡本陽子さん(61)は「話していたことが芸に現れている。孫が夢を持って暮らせる街とは何かを今一度考えてみたい気分になった」と話していた。
提供 - 函館新聞社
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