「子どものため」駐在山木所長奔走…スクールバス転回場作る
update 2007/10/17 15:07
【上ノ国】豊かな森林に囲まれた上ノ国町の宮越地区。約10キロ離れた市街地の学校に通う2人の女子中学生が、安心して通学できるようにしたいと、警察官が橋渡し役となり、住民と町役場、土地を所有する企業がスクラムを組み、このほど新しいスクールバスの転回場を完成させた。
バス停を作れないだろうか―。入学式シーズンの4月、地区の交通安全指導員が、札幌から江差署中須田駐在所に赴任して間もない山木剛所長(46)=巡査部長=に持ち掛けた。
宮越地区の中学生は、バスで市街地の学校に通学している。道道沿いのバス停までは約400メートルの距離がある。付近に街路灯は無く、部活動を終えて帰宅する時間になると周囲は真っ暗だ。「誘拐などの犯罪は地方でも起こり得る。暗いバス停では交通事故の危険もある。付近ではクマも目撃されていた。バス停移設は住民の悲願だった」と山木所長はいう。
これまでにも町内会と町教委が協議を重ねてきたが、道路幅が狭い集落にはバスがUターンできる適当な場所が無く、移設は宙に浮いたままだった。
「自分も20歳の娘がいる。女の子を持つ親の気持ちは痛いほど分かった」という山木所長は、町内会役員と一緒に土地探しに奔走。住民の熱意に打たれた東京の林業会社から約750平方メートルの土地を無償提供してもらう約束を取り付けた。用地確保の連絡を受けた町は早速、予算を組んで敷地に砂利を入れてバス転回場を整備。9月末にはバスの乗り入れが実現した。
山木所長は「町、住民、警察が団結することで、子供のためにバス転回場できた。これからも地域の輪を大切にして、安全・安心づくりのお手伝いができれば」と意欲を見せる。
提供 - 函館新聞社
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