森田さん 朗読録音・全国表彰

update 2007/10/17 15:06

 青い鳥朗読奉仕団の代表を務める函館市湯川町の森田直子さん(55)がこのほど、鉄道弘済会(東京)と日本盲人福祉委員会(同)が主催する第37回朗読録音奉仕者感謝の集いで、「朗読録音・全国表彰」を受賞した。全国から7人、道内からは森田さんただ一人で、同奉仕団からは5人目の受賞となる。森田さんは「彼と一緒にもらった賞だと思っています」と、30年にわたって活動を支えてきた夫松雄さんに感謝の気持ちを表した。

 朗読録音奉仕者は、目が不自由な人のために図書などを読んで録音するボランティア。賞は全国を7ブロックに分けた各地区から毎年1人ずつ選ばれる。受賞には朗読時間と活動期間が一定以上に達していることが求められ、例年60、70代の人が多い中、25歳から活動を始めた森田さんは今回の受賞者で最年少だった。

 森田さんは遺愛学院の国語の非常勤講師。25歳のときに「本や朗読にかかわるボランティアをしたい」と考え、朗読奉仕活動を始めた。平日は仕事が終わった午後8時から翌日午前1時まで読み続ける。「待っている人がいると思うと早く読んであげたい」と、依頼がある時は休日も読む。

 これまでの累計朗読時間は約1600時間にも及ぶ。仕事が忙しい時や家族が病気になったときなどは「続けられないと感じた時もあった」という。しかし、録音時は雑音が入らないよう配慮したり、会の集まりに迎えに来てくれたりと、松雄さんが何かと活動を支援し応援してくれた。

 音訳する本は小説が多く、1冊400ページほどの分量を朗読するのに要する時間は、30年前の1年から現在は2カ月以内に短縮された。「本屋の店頭に並ばなくなったときに届いても遅い」と、正確さの上にスピードも重視する。「視覚障害者を情報障害の状況にしないためにも、早く情報を届けたい」と決意を新たにしている。

提供 - 函館新聞社



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