スギ間伐材有効利用…町が町有林で現地調査

update 2007/10/5 13:42

 【江差】約1100ヘクタールの町有林を持つ江差町では、1950年代から植林されたスギなどの人工林が間伐の適齢期を迎えている。しかし、木材価格の低迷や財政難から町有林の管理は厳しい時代を迎えている。町は貴重な財産である町有林の維持と、地産地消ならぬ「地材地消」の促進を求める声などを受け、植樹から伐採までの育林サイクルの確立や、新築する保育所など公共施設への間伐材の有効利用に向けた検討を開始した。

 町はこのほど、間伐が必要な町有林の現状を把握するため、町内の馬場山と元山で現地調査を実施。mネ谷逸男副町長、工藤篤産業振興課長が参加したほか、道から指導林家の認定を受けた町内の坂野正義さんが助言を行った。

 馬場山では51年に植樹したスギが高さ約20bに成長。坂野さんは「スギが密生して日当たりが悪く成長が妨げられている。間伐を行うことで優れたスギ林を育成できる」とした。

 町は2008―09年度、町有林の間伐事業を検討しているが、木材価格の低迷に伴い、山奥での伐採や木材搬出の経費に見合う収益が得られない可能性もある。このため、間伐で発生するスギ材の有効活用を模索。円山地区に新築する創設保育所(09年度開所予定)などの公共施設での活用をはじめ、品薄状態が続くスギ材を求める町内の木材・建設業者への販売も検討している。同課では「今から間伐を始めなければ町有林の荒廃が進む。間伐材の活用で維持コストを確保して、植樹、間伐、伐採というサイクルを確立できれば」としている。

 一方、スギ間伐材は近年、集成材の原料として需要が増加。地場の木材を利用する「地材地消」を促す意味から、安定供給を求める声も強い。同町でも江差製材協同組合(小笠原弘理事長)や江差建設協会(辻正勝会長)が、公共施設などへの地場産材の活用を求める要望書を町や町議会などに提出している。

提供 - 函館新聞社



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