函高専「シーズ集」発行

update 2007/10/5 13:42

 函館高専(長谷川淳校長)内の研究施設「地域共同テクノセンター」(浜克己センター長)はこのほど、2007年度の同校の技術をまとめた「研究シーズ(種)集」を発行した。70人の全教員が研究、開発中の技術を紹介。科学の最先端分野で既に実用化されたものもあり、小林淳哉副センター長は「このシーズ集を積極的に活用してほしい」と技術提供を申し出ている。

 隔年で発行しているが、本年度は退職教員の補充で新しい教員が多いため、研究数はこれまでより増加し、内容も刷新された。中には近隣の企業や道立工業技術センター(函館市桔梗町)との共同研究も掲載。各高専や大学、関係企業などに配布した。

 内容は(1)材料開発・加工・作成(2)環境(3)構造体設計・製作(4)計測・制御(5)電気・電子・電力・理論物質(6)情報技術・ソフトウェア開発・ネットワーク(7)健康・福祉・生体(8)精密分析(9)教育方法・文学・社会・歴史―の9テーマに分け、活用しやすいように配慮した。

 機械工学科の山田誠教授は「5軸制御形状加工」を発表。立体や円筒面など、1方向からだけでは加工できない形状の物体を、3次元測定したコンピューター利用設計システム(CAD)モデルから加工する。

 中村和之教授は、風化が進んだ石碑表面の微細な凹凸を読み込んで復元する研究を掲載。肉眼では読解不可能な石碑でも、復元の可能性が広がることを明らかにしている。

 環境都市工学科の橋本紳一郎助教の研究は「コストゼロのコンクリート!」で、産業副産物をコンクリート材料として再利用する方法などを示している。

 情報工学科の佐藤恵一准教授は、スポーツの練習などに使える「モーショントレーニングシステム」を提案。立体視メガネなどを使用し、格闘技の型練習などの効果的なイメージトレーニング技術を開発中だ。

 冊子はA4判128nで500部を発行。内容は同校のホームページ上で公開しており、希望者には冊子の提供も可能。研究内容についての問い合わせは小林副センター長TEL0138・59・6468。

提供 - 函館新聞社



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