ウタリ協会胆振地区支部が大船遺跡で伝統儀式

update 2007/9/30 12:19

 函館市大船町の国指定史跡・大船遺跡前で29日、道ウタリ協会胆振地区支部連合会(会長・加藤忠同協会理事長)がアイヌ民族の伝統儀式「カムイノミ・イチャルパ」を行い、神々や祖先に祈りをささげた。

 胆振管内の同協会11支部でつくる連合会で、文化交流研修会として7支部から会員58人が来函した。昨年の研修会で同遺跡を訪れた際、縄文人が祖先とされるアイヌ民族との共通点を改めて認識し、縄文時代の集落跡である同遺跡での先祖供養を企画した。

 会員らはアイヌ文様を施した民族衣装を身に着けて祭壇の前に座り、祭司の沢田一憲副会長(苫小牧支部長)が儀式を進行。男性によるカムイノミはアペフチカムイ(火の姥神)への祈りの後、狩猟の神や水の神など13の神々に祈りをささげ、コメ粉などが原料のシト(団子)、カボチャや豆などを煮て混ぜた「ラタシケプ」などの伝統料理を供えた。続いて女性たちが先祖供養するイチャルパを行い、イヨマンテリムセ(熊の霊送りの踊り)を披露した。

 加藤理事長は「渡島の大地で皆さんと先祖供養ができるのは大変素晴らしいこと。大地すべての先祖に感謝し、先住民認知のため、祖先の力を借りたい」と喜びを語った。

 出席した函館市教委の阿部千春参事は「人間と自然の共生や、命の再生を考えて暮らしていた縄文人の考えがアイヌ民族に受け継がれている。縄文とアイヌから自然の大切さを学ぶ時代が来ると信じている」と話した。

提供 - 函館新聞社



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