道議選企画「激戦」函館市区・上…「3人公認」なお可能性

update 2007/3/3 13:36

 「函館支部では3人目の追加公認はなかったが、自民党にとって今回の選挙は知事選必勝と党勢拡大がかかっている。その観点から函館市区での3人公認は検討課題として残っている」―。

 地元の自民党関係者はこう説明し、公認問題はまだ終わっていないことを強調する。

 前回は定数6に自民・保守系が5人出馬し、自民党は3人を公認。結果は現職の川尻秀之氏のみの当選で、公認の2人を含む4人は共倒れした。

 「前回は共産党が漁夫の利を得た。今回も保守系が4人。本当に厳しい選挙だ」と川尻氏。前回公認の畠山博氏は、わずか12票差で共産党の日高令子氏(故人)に競り負け次点。昨年1月の補選(欠員2)でも自民・保守系3人は民主党と共産党に敗れた。勢力図は結局、4年間変化がなかった。

 2度にわたる失態から自民党函館支部(支部長・川尻氏)は、2月14日の役員会議で畠山氏と大日向豊吉氏を公認しないことを決めた。意見が割れたため、川尻氏を除く出席者8人による無記名投票での結果だった。現時点での公認は川尻氏と新人の佐々木俊雄氏の2人。

 函館支部の結論は果たして動かないのか。川尻氏は「支部で決定済みのこと」と口を真一文字に結ぶ。上部組織の道8区支部も「基本的に函館支部の意向を尊重する」(中村勉支部長)が、道連は「高度な政治判断になる」と含みを持たせる。

 自民・保守系は、獲得票数では民主党を上回る。民主党は前回、悲願の3議席を獲得し、3候補の合計得票は約4万4000票。一方の自民・保守系は約5万3000票だった。自民は乱立さえしなければ2議席はもちろん、3議席も狙える。ただ、今回は4人。

 佐々木氏の陣営は「3人目の公認の話は聞いていないが、もし公認追加になれば自民党支持票が割れることになり、影響がないとはいえない。特に実績があり知名度が高い畠山氏が公認されると、これまで以上に厳しい戦いは避けられない」と危機感が漂う。

 その畠山氏は「道連の判断であるし、公認が出る出ないにかかわらず、選挙に出るのは決まっていること。市内を回ってみても、政党にこだわる人は少なくなった感触はある」と冷静に受け止める。後援会幹部も「公認が出るのであれば、早いほうがいいのだが、あまりこだわってはいない。われわれは人物評価を前面に、運動をするだけだ」と話し、陣営のムードの良さを強調する。

 また、大日向氏は「議員活動をしていく上で、無所属と自民党では力が全然違う。函館のために活躍したいと思っているので、目に見えない力をいただきたい」と話し、期待を寄せる。

 10日には自民党の武部勤前幹事長が函館入りする。「公認問題は10日を軸に動きがある」と指摘する関係者もいる。
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30日の道議選告示まで1カ月を切った。定数6に対し9人が名乗りを上げ、道内有数の激戦区として注目されている函館市区の情勢を探る。

提供 - 函館新聞社



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