29日に研究フォーラム「蛎崎波響と『夷酋列像』の世界」
update 2007/9/27 10:29
【松前】研究フォーラム「蛎崎波響(かきざきはきょう)と『夷酋列像』(いしゅうれつぞう)の世界」(松前町教委など主催)が29日午後1時から同5時まで、松前町町民総合センターで開かれる。松前藩の画家、蛎崎波響(1764―1826年)が描いたアイヌの有力者「夷酋列像について、作成された時代背景や美術史上の位置づけなど、最新の研究成果を各界の第一人者が報告する。
波響は7代松前藩主、松前資広の5男として誕生し、家臣の蛎崎家の養子となった。藩の家老を務めたほか、画家としても活躍。1789年にアイヌ民族が蜂起したクナシリ・メナシの戦いの際に、松前藩に助力したアイヌの有力者12人を描いた「夷酋列像」は、代表作の一つ。
フォーラムでは、前田一男町長のあいさつに続き、大阪学院大の大塚和義教授と国立民族学博物館(大阪府吹田市)の佐々木史郎教授が開催趣旨を説明。
報告は7氏が行い、宮城学院女子大学の井上研一郎教授が「『夷酋列像』と蛎崎波響―美術史的評価のあゆみ」、大塚教授が「『夷酋列像』に描かれた人物配列とその意味」、函館高専の中村和之教授が「『夷酋列像』の時代の北東アジア」などのテーマで研究成果を紹介する。
続いて佐々木教授を司会に、報告者全員で総合討論を行う。
列像の1枚「ツキノエ」は、当時の中国から下賜された蝦夷錦(えぞにしき)と呼ばれる絹織物の上に、ロシアの外套(がいとう)を羽織ったアイヌの有力者を描いており、当時の中国、ロシアとアイヌ民族の関係などをうかがう資料としても注目されている。
また、フォーラム開催に合わせ、29日から10月1日まで3日間、松前城資料館で「「夷酋列像」(国立民族学博物館所蔵)を展示する。
フォーラムは入場無料で、28日まで参加申し込みを受け付けている。申し込み、問い合わせは松前町教委TEL0139・42・3060。
提供 - 函館新聞社
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