江差測候所1日から無人化、観測機器の撤去進む
update 2007/9/27 10:27
【江差】気象庁の江差測候所(高岡正志所長、所員7人)が30日の業務後に無人の「特別地域気象観測所」に移行、67年の歴史に幕を閉じる。測候所内では、観測機器や事務用品の撤収作業が行われている。
無人化に伴い事務室は廃止され、小さな図書室に気象、地震、津波の観測装置と非常用バッテリーを設置。屋外の芝生の上に観測機器を据え付けた「露場(ろじょう)」はそのまま残る。
同測候所の業務開始は1940年2月17日。当時は「中央気象台江差観測所」として橋本町に平屋の庁舎を構えた。戦時中は国防上、気象情報が重視され、十数人の所員が配置されたことも。79年には江差地方合同庁舎(姥神町)に移った。
30日午後9時には最後の観測通報を行う。古くは電報、現在はパソコンで行う観測データの送信作業だ。1日午前零時には観測業務を終了し、零時1秒に特別地域気象観測所による観測に移行する。「観測は一瞬も欠かすことはできない。1秒単位で機材の切り替えを行う」と高岡所長。廃止に当たっての特別な行事は無く、7人の職員は新任地へ旅立つ。
10月以降は桧山管内の予報業務も担当している函館海洋気象台が、遠隔操作で機材管理や観測データ送信を行う。住民からの気象の問い合わせや自治体などを対象とする台風説明会も継続するという。一方で所員の目視で行うサクラ開花などの観測は打ち切られる。
廃止翌日の10月1日には緊急地震速報の提供がスタート。気象庁にとって新たな歴史の1ページを刻む日となる。高岡所長は「ハイテク化や人命を守る防災情報の提供に業務の重点が移る中での測候所廃止。時代の流れです」と静かに語る。
提供 - 函館新聞社
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