合同公開講座函館学/イカとコンブから学ぶ食文化史

update 2007/9/24 10:54

 函館市内の8高等教育機関による合同公開講座「函館学2007」(市高等教育機関連携推進協議会、市主催)が22日、函館市水産物地方卸売市場で開かれた。本年度3回目のこの日は、函館短期大学の猪上徳雄教授が「函館地域の食の大使―豊かな海の幸」と題して、主にイカとコンブにまつわる食文化史について講義した。

 猪上教授は、近年の外国に依存し、食糧自給率の低下や、食文化の多様性についての問題点を指摘。地元で旬のものを食べることで、環境になじむ体となる「身土不二」という考え方を述べ、函館地域においては「コンブとイカにつきる」とした。

 古くは、縄文土器からコンブを食していた痕跡があったとし、鎌倉―室町時代には「宇賀昆布」が中国に輸出されていたことなどを挙げ、コンブと函館のつながりの古さを紹介。また、江戸時代に長崎から輸出された「俵物」の中身は、江戸末期には8割が松前藩産で、スルメやコンブ、特に干しナマコは松前産が最高級品で重宝されていたとした。

 結びに、ガゴメやイカを使った研究を進めている都市エリア産学官連携促進事業や、市の国際水産・海洋都市構想など、近年の新たな海とのかかわりに触れ「函館は昔からユニークな存在で貿易をしながらやってきた。これからもう一度、一段と飛躍ほしいと願っている」と述べた。

提供 - 函館新聞社



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