道中央農試、大豆新品種「中育52号」開発
update 2007/9/22 11:16
道立中央農業試験場(空知管内長沼町)は極めて粒の大きな白目黄大豆の新品種「中育(ちゅういく)52号」を開発した。高級黒豆で知られる京都の「新丹波黒」と大粒の道産白目黄大豆「ツルムスメ」を交配してできた国内トップ級の粒の大きさが特長。秋が長く晩生種の栽培に適した道南地域限定の優良品種として道が認定し、2008年度から本格栽培を始める。道南生まれのコメ「ふっくりんこ」に続く新たな地域ブランドの確立が期待される。
道立中央農試は1993年から中育52号の研究を進め、03年から4年間、今金町と厚沢部町で試験栽培した。農水省の品種登録を申請中で、年内にも登録され、品種名が決まる見込み。
中育52号は100粒の重量が平均60c以上あり、現在主に道南で栽培されている大粒品種の白目黄大豆「ユウヅル」の約1・5倍の大きさで、皮が割れる裂皮(れっぴ)の発生も少ない。試験的な加工を依頼した大豆加工業者からは納豆や煮豆の原料として評価を得ている。
21日には北斗市本町の道南農試で、大豆の加工・卸業者や生産者らを集めた「加工試験成績検討会」が開かれた。安定供給の体制づくりや害虫のダイズシストセンチュウへの対処などの課題を整理し、地域ブランドとして育てていくという共通認識を確認した。大豆加工業者10社に依頼した加工試験結果も発表され、8社が商品化に前向きな評価をしたことが紹介された。
出席者からは「粒の大きさがセールポイントになる」「生産量が少ない品種だとメーカーが使いにくいので安定供給・価格が鍵だ」などの意見もあった。道南農試などは09年度までに栽培技術のマニュアルを作成し、課題に取り組む方針。同農試の荒木和哉作物科長は「道南地域限定という点を強みに、地元に愛される品種に育ってほしい」と話している。
提供 - 函館新聞社
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