優れた乙部産ブロッコリー産地作りを

update 2007/9/21 11:31

 【乙部】食の安全に対する消費者の意識が高まる中、乙部町では高品質を誇るブロッコリーの産地づくりに向けて、農業者と流通に携わる企業が絆(きずな)を深めようと、社員による産地訪問、農業者の流通現場研修といった双方向のユニークな取り組みを進めている。20日には農産物卸売業者の社員が畑で収穫作業を体験した。生産者と流通サイドの信頼関係が構築され、それぞれが自信を持って出荷、販売できるとあって、取り組みに対する関係者の評価も高い。

 20日早朝。農産物卸売商社のベジテック(東京・加納晃社長)の社員4人が、町の小石裕之企画室長と、薄暗い中でブロッコリーの収穫が行われている畑を訪れた。広大な畑で大きな葉をかき分けながら、出荷に適した株を1個ずつ手作業で切り取る根気の要る作業だ。町内で氷詰めにしたブロッコリーは、同社を通じて首都圏のスーパーに出荷される。

 同社で乙部産ブロッコリーを担当する坂本智史さんは「生産者が作物に愛情を持っていることを実感した。自分たちも産地との連携を大切にしたい」と話す。作業を指導する「おとべファーム」の佐藤光男専務は「産地で実際に見て、感じることでお互いの信頼感が高まる。安心して乙部の農産物を売って欲しい」と笑顔を見せた。

 同町でブロッコリーの栽培が始まったのは2005年。町内の農家が契約野菜生産出荷組合(林義秀組合長)を結成し、同社と出荷契約を結んだ。町も農業再生プランの中心プロジェクトに位置付け、財政面や職員派遣などの支援を行っている。

 生産者と社員の交流は、栽培2年目の昨年7月にスタート。乙部の農業者も首都圏にある同社の施設を訪れ、農産物流通の現場を目の当たりにするなど、相互交流が進んでいる。

 同社の矢島訓夫取締役多摩事業部長は「交流を通じて生産者の意気込みや品質確保への努力を実感した。乙部産ブロッコリーは自信を持って消費者に提供できる」と言い切る。

 輸入農産物への不信感が高まる中で、矢島部長は「国産農産物の『安全・安心』は当たり前の時代。今は『おいしさ』も欠かせない。農産物を安く買い叩く時代は終わりだ。生産者と連動して優れた産地づくりを進めていくことが重要」と、同町での取り組みを評価している。

提供 - 函館新聞社



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