交付税削減 「本年度中に行革新計画」…函館市議会
update 2007/9/19 11:20
第3回函館市議会定例会は18日、一般質問が始まり、5氏が登壇した。地方交付税の大幅な減額に伴う今後の対応について質問が相次ぎ、西尾正範市長は今後も徹底した行財政改革を推進していくとし、現在の行財政対策5カ年計画(2005―09年度)以降については、本年度中に中長期の見通しに立った新たな計画をまとめる意向を示した。
浜野幸子氏(新生クラブ)、井田範行氏(市民クラブ)の質問に答えた。
厳しい財政状況の下、両氏はマニフェストに掲げた事業について、「すべて実行するのは難しい。優先順位を示すべき」と事業中止や規模縮小を視野に入れた対応を求めた。
西尾市長は「事業中止などによる市民生活への影響がないよう基金の取り崩しなども含め配慮したい」とし、「緊急度や優先度を考慮し、目標実現に効果あるものから順次取り組む」とした。
2003年度から比較し、普通交付税と臨時行政対策債が約50億円の削減となった結果について、市長は「厳しい算定結果と深刻に受け止めている」とし、「地域の実態にあった算定を行うよう改めて全道市長会や地方6団体(全国市長会など)を通じて国に働きかけていく」と答えた。
また、昨年10月から試行している人事評価制度について、小柏忠久総務部長は、職員の職務上の経験や資格、町会などのコミュニティー活動の実績などを盛り込むキャリア調書を加える考えを示し、「(評価制度を)できるだけ早い時期に昇格や給与へ反映させるほか、適正な人事配置に活用したい」と述べた。
このほか、斉藤佐知子氏(民主・市民ネット)、志賀谷隆氏(公明党)、紺谷克孝氏(日本共産党)が質問した。主な質疑は次の通り。
◎一般質問、主な質疑
浜野氏 今ある資源、人材を最大限活用し、コストをかけない子育て支援策を積極的に打ち出すべきでは。
西尾市長 学校や児童館、ファミリーサポートセンターなど既存の資源と、知恵や経験の豊かな人材活用は欠かせないので、創意工夫を重ねながら効果的な事業展開を図りたい。
斉藤氏 マニフェストで総合療育センターの設立を掲げているが、青柳、あおば、ともえの市立障害児施設3園の統合整備とはどのような関係になるか。
西尾市長 3園それぞれの機能を継承し、障害者への一貫した支援機能を整備するほか、保護者や家族と、保育所、幼稚園、学校などへの支援、さらにはノーマライゼーション理念の普及、啓発など多様な機能を備えた中核的な役割を担う施設として整備したい。
斉藤氏 新たに設置する労働政策室で精神障害者への就労支援を行うべきでは。
桜井健治商工観光部長 関係機関と連携を図りながら就労支援に努めていきたい。
井田氏 今回の昭和公園での痛ましい事件を発生させないため、今後の防犯対策をどう強化するのか。
西尾市長 学校教育の場における児童生徒への指導はもとより、家庭教育や団体活動などさまざまな場で訴えっていく必要がある。今回、警察や町会など関係部局が連携し、市内の公園7カ所の夜間における状況調査を行ったところであり、この結果を踏まえ、関係機関や町会などと連携したパトロールなど効果的な防犯対策の検討を進めたい。
志賀谷氏 北海道新幹線着工の要望活動に尽力し、実現させた当時の井上博司市長と福島恭二議長、函館商工会議所の高野洋蔵会頭の実績をどう評価するか。
西尾市長 着工に向け市議会、経済界とともに行動した井上市長の実績は高く評価されなければならない。私もオール北海道の中で運動していきたい。
紺谷氏 大間原発の安全対策強化や情報公開を求める考えは。
西尾市長 防災対策を期すEPZは国の基準で原発から半径8―10キロだが、函館と大間の最短距離は18キロ。第2次公開ヒアリングで商工観光部長も意見陳述したが、安全対策や風評被害対策などを引き続き求め、市民の不安を取り除き、正しい情報を入手し伝えられるよう、道と協議していく。
紺谷氏 公約に掲げた保育料の軽減や免除は実現できるか。
西尾市長 交付税の大幅削減など厳しい財政状況にあるが、当市と同じくらい厳しい財政下で同様の施策に力を入れている市もあり、子育て支援から一定の軽減は必要。どの程度軽減できるかは制度設計している。
提供 - 函館新聞社
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