集団暴行事件 少年7人を家裁送致

update 2007/9/18 10:50

 函館市内の公園で8月下旬、同市富岡町の私立高3年佐藤智也君(18)が中学時代の同級生(17)ら少年7人に集団暴行を受けて死亡した事件で、函館地検は17日、この元同級生ら7人を傷害致死の非行事実で函館家裁に送致した。検察側は、暴行の度合いや犯行後に7人が「(佐藤君が)死んでしまえばいい」と話し合っていたことなどから悪質と判断、7人全員に「刑事処分相当」の意見を付けるとともに、審判での検察官の立ち会いを求めた。

 同家裁は同日、7人について2週間の観護措置を決定し、函館少年鑑別所(同市金堀町)に収容した。今後は少年の家庭環境や犯行の経緯などを調査した上、処遇を決めるため、観護措置はさらに2週間延長され、審判が開かれる見通し。

 同地検などによると、7人は8月26日午後7時半から同8時ごろまでの間、同市富岡町1の富岡中央公園で、佐藤君の背中を金属バットで殴打するなどの暴行を加えた。その後、同市昭和町20の昭和公園に移動し、同8時半から同10時ごろまでの間、代わるがわる佐藤君の顔や頭などを殴るける、足で踏みつけるなどし、佐藤君を頭部打撲による外傷性脳浮腫で死亡させた。

 これまでの調べで、元同級生が事件の主導的な役割を果たしていたことが判明。7人のうち、この元同級生と無職少年(19)による佐藤君への暴行や金銭要求を伴ういじめは、2年ほど前から続いていたことが明らかになった。元同級生は犯行の前日から佐藤君に「金持ってこい」と約10万円を要求、佐藤君が金を用意しなかったことから暴行を始めたという。

 調べに対し、元同級生は「(佐藤君に)2年前に『金貸せ』求めたら、簡単に金が手に入った。それから金を要求するようになった」と供述。また、元同級生が現場に居合わせた別の少年(15)に佐藤君との「タイマン(1対1のけんか)」を仕向け、さらに携帯電話で呼び出した少年4人が加わり、集団暴行に発展したことも分かった。

 一方、電話で呼び出された少年4人は事件当日まで佐藤君と面識がなかった。中には「(佐藤君を)いじめることで、自分が強いところを周囲に見せたかった」と供述する少年もいるという。石井隆・同地検次席検事は「集団心理でいじめがエスカレートしたのでは」との見方を示した。

提供 - 函館新聞社



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