動産も差し押さえ…税収確保へ函館市
update 2007/9/15 15:56
函館市は市税収入の安定と確保を図るため、滞納者の差し押さえを不動産や預貯金などのほか、動産にも拡大する。全国的にも自動車や貴金属、美術品などの動産の差し押さえが広がっており、市納税課は「税金の支払い能力がありながら納付していない滞納者が対象で、厳しく臨む。納税に困った場合には分割納付などにも応じており、納期前に相談に訪れてほしい」と話している。
同課によると、市税の滞納繰越額は昨年度末で20億8681万円、収納率は93・0%だった。滞納繰越額は一時期20億円を割っていたが、05年度末から20億円台となった。納税者の公平感を保つ上でも、収納率の向上が課題となっている。
市は例年、600―700件の差し押さえを実施している。内容のほとんどが債権で、昨年度は確定申告などでの国税還付金が564件、生命保険29件、預貯金6件など。不動産は21件だった。以前は多かった電話の加入権はゼロで、滞納者は電話料金も滞納していることが多く、携帯電話の普及もあり、現金への換価が難しい。
給料や年金の差し押さえは、最低生活費を除いた上で可能であれば実施している。不動産は金融機関などが抵当権を設定しているケースが多く、すぐに差し押さえとはいかないのが実情だ。
こうしたことから、動産も差し押さえの対象とすることを決めた。自動車や家財道具などだが、家財道具の中には押さえられない品や公売しても売れないものが多い。同課は「乗用車以外はいわゆる“ぜいたく品”が対象で、骨とう品や美術品、貴金属、高級家電などが対象になる」という。
ただ、差し押さえ物件の帰属(所有者)認定が難しかったり、公売で滞納額をはるかに上回る値段が付いた場合や逆に売れない場合など、課題もありそうだ。
主な市税は個人の場合、住民税や固定資産税、軽自動車税などで、本年度当初予算では344億5000万円の収入を見込んでいる。地方交付税と並ぶ大きな一般財源で、本年度の普通交付税(決定額313億1000万円)は前年度比で10億5000万円減、当初予算と比較して14億円の減となった。このため、市の独自事業の財源となる市税の確保や収納率の向上が一層求められている。
提供 - 函館新聞社
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