市立校再編へ答申…函館市教育審

update 2007/9/14 11:09

 函館市学校教育審議会(高村昭三会長)はこのほど、函館市立の小中学校再編について市教委に答申した。望ましい学校規模を小学校は12―18学級、中学校は9―18学級などとする内容。多様な人間関係を構築するためクラス替えの余地があることや、教員定数などを考慮した。これを受けて市教委は本年度内に再編指針の素案を作り、市民からの意見(パブリックコメント)募集などで修正し、2008年度から再編計画の立案に着手する。

 市教委は少子化による学校の小規模化の問題を考え、初めて再編に取り組むことにした。同審議会は市教委からの諮問を受け、06年2月から審議を開始。教育関係者や保護者、学識経験者ら25人の委員が12回にわたって協議を重ねた。

 本年度の市内の児童生徒数は、小学校1万3160人、中学校1万5558人で、それぞれピーク時の45%以下にまで減少。小規模化の著しい学校が増加し、今回望ましいとされた規模に当てはまる学校は、小学校で48校中21校、中学校は28校中8校にとどまる。

 同審議会は児童生徒数の減少について、教育指導や人格形成、学校運営などさまざまな角度から検討。一人一人の活動の場の増加や密度の濃い人間関係、教職員の協力体勢づくりが容易となる半面、固定化された人間関係の中で社会性を身に付けることが難しくなり、免許外教科の担当など教員の負担が増加することなどが指摘された。

 その結果、小学校ではクラス替えができる各学年2学級以上、中学校は各教科に専門の担当教員配置が可能な同3学級以上が望ましいとした。学級数の上限は、大規模化で特別教室の容量や移動活動での問題発生が懸念されることから、学校教育法施行規則に標準として定められている18学級を目安とした。

 答申では、「地域の実情などを十分に踏まえながら、統廃合や通学区域の変更により再編を進める必要がある」と留意点を挙げ、通学区域については「整合性を持たせることや、1つの中学校に複数の小学校から進学することが望ましい」とし、スクールバス活用も視野に検討する必要があるとした。

 通学区域に縛られない学校選択制の検討は、安定した学校規模の確保が困難となることや、子どもの獲得競争などを懸念。「先行実施する自治体の状況、保護者の意向などを踏まえてさらに検討を」とした。

 答申を受け、市教委は「学習環境だけでなく人との出会いやクラブ活動などで、一番効果がある規模にするよう再編の指針を作りたい」と話している。

提供 - 函館新聞社



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