カボチャ残留農薬/判明後すぐに公表せず
update 2007/9/11 13:43
新函館農協(函館市宮前町、小野寺仁組合長)が、厚沢部町産のカボチャを自主検査の結果判明前に誤って出荷、検体から食品衛生法の基準値を超える残留農薬「ヘプタクロル」が検出された問題は、判明から1週間後に事実関係を公表するなど、対応が後手に回った。8日の会見で小野寺組合長は「消費者、関係機関に迷惑をかけ申し訳ない。再発防止に努める」と陳謝したが、食肉偽装事件などで消費者が食品に厳しい目を向ける中、食の安全・安心を担う立場として、同農協の姿勢が問われそうだ。
同農協は自主検査の結果判明を受けてから出荷するというルールを定めていたが、8月20―22日にかけて、検査済みではないカボチャ約12トン(1216ケース)を大阪や兵庫、京都、愛知の4府県に出荷した。出荷後の同30日に検査機関に送った検体から、基準値(0・03ppm)の約5倍に当たるヘプタクロル0・14ppmが検出された。
同農協はただちに自主回収を進めたが、回収できたのはわずか550キロ(55ケース)にとどまっている。
同農協は同時に、厚沢部町内のカボチャ生産者18戸の約200トン分について自主検査を実施し、出荷を一時停止した。道に事実関係を報告したのは今月5日になってからだ。
検査結果の判明直後に公表しなかった理由について、同農協は「自主回収と、自主検査を優先したために公表が遅れた。申し訳ない」と平謝りする。これに対し、道は近く道農業協同組合中央会(本部・札幌)に対し、適切な自主検査の実施を徹底するよう文書で通知する方針。
検査前のカボチャが誤って出荷された原因については、同じ倉庫で出荷するカボチャと、検査結果待ちのカボチャを明確にしていなかったために起きた単純なミスと説明と説明。ヘプタクロルが検出されたカボチャの生産者は、この農薬が販売禁止された後の87年に畑を購入し、ヘプタクロムの使用もしていないため、土壌に残留していた可能性が強い。ヘプタクロル0・14ppmは毎年13キロ以上を一生食べ続けない限り、健康に影響にないという。
出荷されたカボチャの回収はその後進んでいないという。同農協は「信頼回復のため、対策本部を立ち上げてミスが二度と起きないようにしたい」としている。
一方、道農政部などでつくる道ヘプタクロル残留等対策チームは10日、道庁で会合を開き、(1)営農指導対策の強化(2)原因究明と対策の検討(3)安心・安全確保に向けた農業団体による自主検査体制の強化―など、従来の対応方針を再確認した。
提供 - 函館新聞社
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