縄文人気分で土偶作り…南茅部でフォーラム
update 2007/9/9 10:46
NPO法人(特定非営利活動法人)函館市埋蔵文化財事業団主催の「2007縄文の道フォーラム〜北の大地に蘇る国宝中空土偶〜」が8日、市南茅部公民館で開かれた。3回目の今回は中空土偶(愛称・茅空かっくう)の国宝指定を記念し、土偶をテーマにした講演や土偶づくり体験を通じて縄文文化に理解を深めた。
中空土偶は1975年8月、同市尾札部町(旧南茅部町著保内野)で農作業中の主婦が発見し、79年6月に国の重要文化財、ことし6月に道内初の国宝に指定された。
講演には約130人が参加。道内の土偶研究の第一人者で、道教育庁の文化財調査グループ主査、長沼孝さんが縄文時代早期(6000―9000年前)から晩期(2300―3000年前)まで時代ごとに土偶の特徴を説明した。
道内では90カ所で400点の土偶が出土しており、長沼さんは「墓の中や上、共同墓地から見つかり、副葬品として入れられる比率が高い」と祭祀(さいし)との強い結びつきを指摘。一般的に土偶は女性を表現した形だが、茅空にその特徴が薄い点を挙げ、「男女の性を超越した神のような存在」と推測し、「壊されて埋葬されたのはこの世での務めを終え、葬られた人と一緒にあの世へ行って役目を果たすという考え方があったから」とした。
土偶づくり体験では65人が実物の約2分の1の茅空を粘土で製作。中が空洞の「中空」、空洞でない「中実」のいずれかの製作方法を選び、頭、足、胴体を別々に作って組み合わせ、つまようじやひもで文様を付けた。
中実土偶を作った市内東川町の主婦長谷川喜江さん(63)は「難しかったが、今度は家で中空土偶に挑戦したい」と話し、小樽市から訪れた桜庭恒彌さん(67)は「縄文人は天才。すごく緻密(ちみつ)でまねできないから、縄文人になったつもりで作った」と先人の器用さに感心していた。
提供 - 函館新聞社
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