厚沢部産のカボチャから残留農薬
update 2007/9/9 10:46
新函館農協(小野寺仁組合長)は8日、厚沢部町内の農家で生産されたカボチャから、基準値を超える残留農薬が検出されたと発表した。農協として全道的に出荷前の自主検査を実施し、結果判明後に出荷するルールを定めていたが、今回は検査結果が判明する前に誤って出荷し、出荷後に事態が判明した。市場に出回ったカボチャの一部は自主回収し焼却処分したが、小野寺組合長は記者会見で「確認作業の不徹底が原因」と、人為的なミスを認め陳謝した。
検出された農薬は、1975年に使用・販売が禁止された「ヘプタクロン」という殺虫剤で、食品衛生法上の基準値(0・03ppm)の約5倍の0・14ppmが検出された。原因は不明だが、同農協では摂取しても健康への影響はないとしている。
同農協によると、出荷前検査は作付面積10ヘクタールにつき1点ずつ行い、厚沢部町内では5点のカボチャを分析、うち1点が基準値を超えていた。
この農家が出荷したカボチャは約12トン(1216ケース)で、8月20日から同22日にかけて大阪府と京都府、兵庫県、愛知県の2府2県に送られ、一方で同20日、検査用のサンプルをホクレン農業総合研究所(札幌)に送って検査を依頼、30日に結果が判明した。この結果が出る前に、職員が誤って集荷場から出荷したという。
結果を受けて同農協は、ただちに自主回収を開始すると同時に、厚沢部町産のカボチャの出荷を停止。カボチャ農家18戸約200トン分について自主検査を実施し、結果待ちの状態。
同農協は7日までに約550キロ(55ケース)を回収し焼却処分にしたが、残りは市場に出回ったとされる。今後、さらに市場に流通したカボチャの回収を進めるほか、対策本部を設置して管理体制の強化を図る方針だ。
小野寺組合長は「ミスは想定していなかった。明確な管理ができるよう再発防止に努めたい」と述べた。
昨年5月のポジティブリスト制度の導入以降、基準値を超えた農薬が検出された農作物は流通が禁止される。道南では昨年9月にも、函館亀田農協から出荷されたカボチャから基準値以上の残留農薬が検出されている。
提供 - 函館新聞社
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