湯の川の海底に火山?…公開講座函館学スタート
update 2007/9/9 10:45
本年度の合同公開講座「函館学」(函館市高等教育機関連携推進協議会、市主催)が8日、開講した。同市湯川町の花びしホテルを会場に、道教育大函館校の鴈沢好博教授(地質年代学)が「『湯の川温泉』の源、海底に沈んだ火山」と題して講義。同温泉の熱源は汐泊川の沖合約2`にある火山で、5万年以上前に噴火したのち、気候の温暖化で海底に沈んだことを説明した。参加者約200人は“湯の川温泉の秘話”を興味深げに聞き入った。
「温泉好き」と称する鴈沢教授は、浴衣姿で登場し、雰囲気を盛り上げた。自身と学会の研究成果を報告し、海底に沈んだ火山を「銭亀沢火山」と紹介した。「1回だけの噴火で28万立方キロメートルの噴出物があり、これは1929(昭和4)年の駒ケ岳大噴火の約50倍の量。流れた火砕流は函館全域に及んだ」と述べた。
火山灰の地層から採取した木の「炭素14」を測定したところ、噴火は5万年以上前と考えられるが、最新の測定装置で石英の破片を調べたところ、さらに数万年さかのぼる可能性があり、研究課題であるとした。
「太平洋プレートが落ち込み、地震が発生した際、再び噴火の恐れはないか」との質問に、「私たちが生きている間はないでしょう」と述べ、笑いを誘った。地質学での2万年や5万年は「つい最近の新しい時代」(同教授)で、参加者は日常の感覚と地球の命の対比に深くうなずいていた。
公開講座は本年度で3回目。市内8高等教育機関の教員と市職員が「函館」をキーワードにした講義を、12月8日まで10回開く。昨年度は10回で延べ約1000人が受講し、本年度は定員を増やし、延べ約1800人の申し込みがあった。
提供 - 函館新聞社
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