11日からニチロ100周年記念展
update 2007/9/8 13:34
北洋漁業に大きな功績を残し、明治から昭和までの函館発展に中心的な存在だったニチロ(田中龍彦社長、東京)の創業100周年を迎えた記念企画展「街と歩んだ北洋漁業〜ニチロ創業100年〜」(函館市立博物館主催)が11日から24日まで、市北洋資料館(五稜郭町37)で開かれる。ニチロと函館の歴史を「北洋漁業」「街の歩み」としてパネルなどで紹介する。
ニチロは、函館出身の平塚常次郎と新潟県三条市出身の堤清六の2人が1907年創業。北洋へサケ、マスを目指してからことしで100年になる。戦前、戦後を通じ、北洋漁業の基地として函館を繁栄させ、国際情勢の変化で北洋漁業から転身。ニチロの盛衰は函館の盛衰となったといえる。
ニチロではことし6月、東京都内で記念イベントを開き、市北洋資料館収蔵のニチロゆかりの品など、歴史資料を移設、公開した。東京での盛況を受け、函館ニチロ会の加藤清郎会長らが7月、「創業者出身地でも記念行事を」と函館での記念展を提案し開催が決定した。
東京での開催時は、ニチロの歴史を振り返るパネルを展示したが、函館では、函館の歴史のパネルも展示し、函館とニチロの深い関わりを紹介する。また、ニチロに関する建物や施設などの写真を約20枚展示。準備期間はわずか2カ月。加藤さんは「大変だったが中味の濃い展示内容になる」と話す。
写真は、29(昭和4)年に完成した「日魯ビル1号館」や、函館港を埋め尽くす母船群の出漁場面など。盛大な北洋漁業の風景、豪華なつくりの建物からは、函館の経済を発展させた様子を感じさせる。
また、38(昭和13)年に完成した「日魯ビル3号館」では、約1000人収容可能だったHBC劇場があったほか、70年には函館市民会館(湯川町)大ホールのどん帳を寄贈するなど函館の文化、芸術向上に寄与。加えて、旧ロシア領事館(船見町)がニチロ所有地だったことなど、あまり知られていない歴史も紹介する。
そのほか、船で使用していた大漁旗、作業着などの展示も行われる。加藤さんは「函館人が作った会社が函館の街づくりに貢献したことを知ってもらえる。さまざまな年代の人に楽しんでほしい」と来場を呼びかけている。
入場料は大人100円、大学生以下50円。市内の小中学生は無料。時間は午前9時から午後7時まで。問い合せは市北洋資料館TEL0138・55・3455。
提供 - 函館新聞社
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